■GAME1
開催地が新潟県柏崎市ながら、工場があるという理由で東芝のホームゲームとなったこの試合、幸先よく先制したのは東芝。ファジーカス、辻、ボーズマンの3Pシュートや、ママドゥのゴール下で得点を重ねる。一方の和歌山はシュートは入らずとも、ボールを回してシュートの形で攻撃を終えるというオフェンスを根気良く重ねる。東芝はリードを保つものの、第1ピリオドからディフェンスが振り回されて後手後手になり、和歌山のオフェンスを効率よく抑えることができない。第1ピリオドは川村のブザービーターが決まって、25-20の東芝5点リードで終了。
第2ピリオドに入ると和歌山は青野を投入。インサイドで仕事ができなくなった東芝ファジーカスは、ミドルレンジからの攻撃で青野のファウルを誘う。東芝は残り7分でファジーカスを下げてボーズマンと鎌田を投入すると、全く得点できなくなってしまう。高さで圧倒的に優位に立つ和歌山は、青野の1対1や内海の3P、青野からパーカーへの合わせなどで点差を縮め、さらにパーカーのスティールからの速攻2本で、残り3分41秒についに33-35と逆転する。ボールを見てしまい動きの止まった東芝は約5分間得点が止まり、ファウルを取ってもらえないことで雰囲気も悪くなる。しかしここで、大西のジャンプショットが決まってようやく息を吹き返し、ボールとプレーヤーに動きが戻る。ファジーカスの3Pでリードを取り戻した東芝だったが、第2ピリオドも川村のブザービーターを許し、41-42の和歌山1点リードで前半終了。
第3ピリオド、ディフェンスに激しさの出始めた東芝は、ディフェンスリバウンドやスティールからの速攻で逆転に成功する。対する和歌山は早いボール回しで東芝のディフェンスを動かしてフリーの選手を作り、イージーなシュートを決めて点差を広げさせない。和歌山は後半の早い時間帯から青野を投入し、青野のスクリーンで東芝の選手の体力を削りにかかる。これが奏功したのか、東芝はパスミスやミスからハンドリングミスのターンノーバーを連発し、ことごとくチャンスを潰してしまう。東芝はファジーカスの連続得点で再逆転するが、和歌山は休んで体力を取り戻したリカートが入れ替えして58-59の和歌山1点リードで第3ピリオド終了。
第4ピリオド、3Pシュートなどでファジーカスが孤軍奮闘する東芝に対し、和歌山は川村の緩急を付けた動きと青野のスクリーンからのポストプレーでボールを回し、内外バランス良く得点する。東芝はママドゥを投入して高さに対抗しようとするが、アウトサイドシュートのセレクションが悪く、オフェンスリバウンドが取れない。残り3分を切ったところで和歌山は川村と木下が連続3ファウルし、ママドゥにバスケットカウントを許して73-73に追いつかれてしまう。しかし和歌山は、川村のバイオレーションをレフェリーが取らないことに気を取られた東芝の隙を突いてパーカーが得点し、73-77と点差を広げる。東芝がここでタイムアウトを要求。
タイムアウト明け、レフェリーが帳尻を合わせるかのように青野のファウルをコールする。しかしファジーカスがこのフリースローを1本外して74-77の3点差に。続く和歌山の攻撃で木下のパスをママドゥがスティールし、篠山の3Pシュートに繋げて残り52秒に77-77の同点に追いつく。しかし和歌山は、篠山のマークが完全に外れた木下を川村が見逃さずパスを通し、残り30秒に木下のジャンプショットで77-79と再逆転する。東芝は辻が敵を引き付けてママドゥにパスを通すがシュートは外れて万事休す。最後はファウルゲームをきっちり制した和歌山が77-81で勝利した。
PTS:パーカー25、川村18、ファジーカス47
REB:パーカー10、ファジーカス11
AST:川村7、木下5、篠山6
■GAME2
第1ピリオドは和歌山が3Pシュートで先制。前日ディフェンスが後手になった東芝は、最初から積極的にプレッシャーをかけ、オフェンスではボール回しがぎこちなくミートが崩れるものの、何とか得点して和歌山に追いすがる。しかし、木下が早いボール運びで先手先手を取りながら攻撃し始めると、東芝は徐々に後手に回ってミスを出してチャンスを潰してしまう。和歌山は的を絞らせない攻撃でパーカーが連続得点し、東芝はボーズマンの個人攻撃で追いすがるという、リズムの差がはっきり出たまま23-30の和歌山7点リードで第1ピリオドが終了。
第2ピリオド、東芝は鎌田と大西のダブルチームで青野を抑え込みシュートミスを誘うが、フリーになったパーカーがディフェンスリバウンドを難なく押し込む。コート上の選手ほとんどが入れ替わった東芝はディフェンスがタイトになり、和歌山にボールを回させず早打ちさせてディフェンスリバウンドを取ることに成功する。さらにベテラン大西が連続得点してリズムを取り戻す。この後お互いに5ファウルを超え、和歌山はパーカーと川村が、東芝は辻がフリースローなどで得点を重ねて41-43の和歌山2点リードで前半を終える。
第3ピリオド、東芝はボーズマンの個人攻撃、和歌山は川村のロングシュートを含む連続得点で加点する。和歌山は第2ピリオドを休んでいたリカートが元気いっぱいで、ゴール下のシュートやファジーカスへのディフェンスに活躍する。東芝は最初の4分間ほどはリズム良くプレーしていたが、何がどうなったのか突然連携が崩れ始め、ポジションが重なったり、パスの息が合わずにターンノーバーを連発して速攻に繋げられ、残り6分10秒には47-56と9点差に広げられ、たまらずタイムアウトを要求する。
タイムアウト明けもファジーカスが激しいプレッシャーに会って得点できない東芝に対し、和歌山は川村のロングシュートなどで14点差を付ける。しかし東芝は、辻の連続3Pシュートとトラップディフェンスからの速攻で残り4分2秒に55-61の6点差まで一気に持ち直す。ここで和歌山がタイムアウトを要求。タイムアウト明け、ディフェンスのプレッシャーが強くなった和歌山だったが、逆に東芝のトラップ気味のディフェンスにはまり、辻の3Pシュート、ファジーカスの連続バスケットカウントで残り2分27秒に65-63と逆転されてしまう。それでも和歌山は川村のアリウープやスティールからの速攻で再逆転し、69-71の和歌山2点リードで第3ピリオド終了。
第4ピリオド、和歌山はパーカーが得点にスティールにリバウンドに活躍する。激しいプレッシャーを受けた東芝はボールが手に付かず、ターンノーバーでチャンスを潰してしまう。頼みのファジーカスは青野に抑え込まれ、さらに選手が動かないので手詰まりになってしまう。オフィシャルタイムアウト明け、東芝は前日同様ママドゥを投入。すると和歌山は川村がボール運びで東芝のディフェンスを動かして、パーカーのリバウンドショットをサポートする。
残り1分44秒、東芝は広いボール回しからゴール下のママドゥにボールを通すと、これに対して木下がファウルする。和歌山がここでタイムアウトを要求。タイムアウト明け、ママドゥはフリースローを1本落とすが、このリバウンド争いで内海が栗原にファウルする。ところがこのフリースローを栗原が2本とも落としてしまい、83-86の和歌山3点リードのまま縮まらない。さらに残り1分25秒、川村にタフショットを決められて83-88の5点差にされてしまう。ここで東芝がタイムアウトを要求する。
残り1分23秒、辻が放った3Pシュートは外れるがこれをママドゥが捻じ込んで85-88とする。さらに東芝は激しいプレッシャーから辻とファジーカスの速攻に繋げ、残り45秒に87-88の1点差とする。残り31秒、和歌山はぽっかりとフリーになった内海が3Pシュートを放つが外れ、和歌山ボールのスローインとなる。ここで和歌山がタイムアウトを要求。タイムアウト明け、東芝は川村からボールを奪い取り、辻と篠山の速攻で残り14秒に89-88と逆転する。ところが和歌山は川村がボール運びの際に、5ファウルの東芝からファウルを貰いフリースローを得る。シミュレーションだという東芝の抗議は覆らず、川村がフリースロー1本を入れて、残り10秒で89-89の同点に。ここで東芝がタイムアウトを要求。
タイムアウト明け、東芝はセットプレーから栗原がレイアップシュートを狙うが、リングに弾かれてパーカーにリバウンドを奪われる。パスを受けた川村はコーストトゥコーストでミドルレンジまでドリブルし、残り1秒で放ったシュートはバンクショットでリングに吸い込まれ、89-91で和歌山が勝利した。
PTS:パーカー31、川村29、ファジーカス22、辻21
REB:パーカー12、ファジーカス10
AST:木下4、中務4、栗原5
両ゲームともにレフェリーの稚拙さが目立った試合だった。ファウル判定の曖昧さやバイオレーションの見逃しは置いておいても、3秒ルールくらいは知っておくべきだと強く言いたい。こういう競ったゲームではレフェリーのスキルで勝敗が左右されることがよくあるだけに、もうちょっとちゃんとやってくれという気分になってしまったことが残念だった。
その他の結果は以下のとおり。