10月21日に行われたレラカムイ北海道 vs 日立サンロッカーズの試合をテレビ観戦しました。しかしsky-Aの放送は画像が非常に悪く、おまけに無駄なカットばかりが入って試合の流れを正確に把握できなかったので、この試合全体ではなくポイントとなった4Q残り4分5秒、レラカムイ73-69日立、タイムアウト明けからレポートします。
■試合内容
日立ボールでスタート。しばらくベンチで休んでいた五十嵐がトップからドライブで桜井を振り切りレイアップを入れ73-71。レラカムイのシュートが入らず日立リバウンド(リプレイが流れていたため詳細不明)。左ミドルポストから竹内がウィリアムスの頭越しにフックで加点、73-73の同点に。しかし、ゾーンディフェンスが緩くなってしまった日立は、左ゴール下からトップ右にフラッシュしたウィリアムスに気付かず、3Pを入れられて76-73。
残り2分46秒、日立五十嵐が3Pシュートを放つが入らず。残り2分28秒、日立トーマスが個人技でゴール下に切り込むもシュートは決まらない。リバウンドを取ったレラカムイは速攻を仕掛けるが、パスを受けた折茂がまさかのファンブル。再び日立ボールに。
残り2分13秒、ゴール下で日立五十嵐はレラカムイウィリアムスにスクリーンを掛け、トーマスを逆ローに走らせて、自らはそのままトップへフラッシュ。管からのパスを受けて竹内のスクリーンを使い、レラカムイ桜井を振り切って3Pシュート。これが入り76-76。再び同点に戻した。
残り1分51秒、レラカムイニュートンが左ローからドライブを仕掛け、ロールターンで日立竹内を交わしてゴール下シュート。78-76。しかし残り1分27秒、日立も上山がドライブで折茂を抜いてレイアップ。78-78の同点。
残り1分11秒、折茂がトップでパスを受けてドライブからループレイアップを狙うも、これを日立管がブロックショット(これはなぜか記録されていない)。残り1分を切って日立ボール、会場はディフェンスコールの嵐。残り47秒、ゴール下で竹内からパスを受けた日立トーマスがミドルフックを狙うが、レラカムイウィリアムズの絶妙なディフェンスの前にリングを弾く。日立竹内がリバウンドに飛ぶもボールは手の中からこぼれ落ちる。レラカムイ加藤真がボールを拾ったところで日立トーマスがたまらずファウルして、残り43秒2でレラカムイタイムアウト。タイムアウト明け、間をおかず今度は日立タイムアウト。
残り43秒2、レラカムイ加藤真のフリースロー、なんと2本とも落とし78-78同点のまま変わらず。しかしリバウンドをもぎ取って再びレラカムイのオフェンス。残り31秒9、上山を振り切ってゴール下をカットしたレラカムイ折茂にパスが渡り、折茂は振り向きざまにシュート。しかし日立上山が折茂に痛恨のファウル。残り31秒3、日立が最後のタイムアウトを取る。
タイムアウト明け、折茂1本目のフリースロー、日立ファンからの黄色いブーイングの嵐にこれを落とす。会場から悲鳴。2本目のフリースロー、大きく息を吐いた折茂はこれを沈めて79-78。
残り25秒、日立ボールマン五十嵐にレラカムイ桜井とウィリアムスが激しくプレッシャーをかけ、簡単に攻めさせない。残り16秒、左45度にフラッシュした日立トーマスにボールが渡りシュートフェイク、飛び出したレラカムイニュートンがトーマスに接触してファウル。日立ファン立ち上がっての大喜び。しかし倒れたトーマスはうつ伏せで倒れたまま動かない。ニュートン5ファウルで退場。苦痛に顔をゆがめる日立トーマスは両脇を抱えられてベンチへ。代わりに山田が入る。
残り15秒4、レラカムイベンチの選手達が観客を煽り、会場にディフェンスコールが響き渡る。日立スローインから五十嵐がボールを運び、竹内のスクリーンを利用して桜井のディフェンスをずらす。しかし、なぜか日立竹内がゴールに向かって走らず、3Pラインの外に出てしまう(そのままゴールへ走ればピック&ロールできたのに!)。
この竹内に五十嵐からパスが渡り、竹内ドライブ。竹内にレラカムイ桜井とウィリアムスがマーク、マークの外れた日立五十嵐に竹内からパス。残り8秒1、日立五十嵐は右45度から3Pシュート、飛び出したレラカムイ桜井が五十嵐に接触し五十嵐転倒。ゴールならずもディフェンスファウルのコール。レラカムイ桜井5ファウル。拳を上げ激しく雄たけびを上げる五十嵐。レラカムイタイムアウト。日立小野HCに笑みがこぼれ、対照的に折茂の表情はこわばる。
残り5秒9、観客は立ち上がり、会場を揺るがさんばかりのブーイングを五十嵐に浴びせる。日立五十嵐フリースロー1本目、これを外す。黄色い悲鳴と怒涛のような歓声。フリースロー2本目、これが入って79-79の同点。トーンダウンする会場に、ベンチを立ち上がり観客を煽るレラカムイの選手達。フリースロー3本目。無常にもボールはリングに弾かれ、レラカムイ菅原がリバウンドを取る。
残り2秒5、ボールをフロントコートに運ぶレラカムイ菅原に日立五十嵐がディフェンス。審判の目の前で二人が接触。倒される日立五十嵐。しかし、判定は日立五十嵐のディフェンスファイル。5ファウルで退場し、唇をかむ五十嵐。
残り1秒9、会場はレラカムイ菅原に洋介コール大合唱。菅原スリースロー1本目、ボールがネットを揺らし80-79。爆発する大歓声。続いて2本目、これも入って81-79。残り0.6秒、日立選手(画像が悪くて不明)がセンターライン付近からボールを放つも入らずゲームセット。ガッツポーズの加藤監督、抱き合うレラカムイの選手達。ベンチ前で仰向けになりタオルで顔を覆う五十嵐。試合は81-79の2点差でレラカムイが日立を下した。
■感想
レラカムイは想像以上にいいチームでした。外国人選手たちは能力が非常に高く、ディフェンスもオフェンスも真面目にやっていました。折茂はトヨタにいるときは味方のスクリーンを使ってフリーになり、シュートを打つというプレーが主だったのですが、ジェリコJAPANで相当鍛えられたのか、この試合では一人で軽々とマークを外していました。37歳にしてまだ進化しているのでしょうか。桜井の1番はなかなか良かったと思いますが、ボールハンドリングが危なっかしいところもあったので、トヨタや東芝相手では厳しいかもしれません。
日立はちょっと苦しい状況ですね。アイシン戦のときから気になっていたのですが、本来ならテイトの穴を埋めるべく竹内やトーマスが4番、5番をやらなければいけないはずなのに、どういうわけか二人とも外へ出てしまうのでボールがインサイドに入らず、リバウンドもあまり取れていません。この試合では、後半竹内がインサイドに入ってからリズムが良くなったのですが、このように個人が臨機応変にプレーできないと、この苦しい状況を打破するのは難しいでしょう。
また、五十嵐、上山、竹内、トーマスとそれ以外の選手の能力の差、ゴールに向かっていく姿勢の差を感じました。この差をどう埋めていくか、今いる選手でどうやって戦っていくかを考えるのはベンチの仕事ですが、アイシン戦から通じてその采配には疑問を感じるところもあるので、選手がフラストレーションを溜めないような仕事をしなければならないでしょう。
4Q最後の五十嵐のフリースローとファウルに関しては、誰も彼を責めることはできません。彼は3Qに3Pのフリースローを3本とも入れています。最後の最後で入らなかったのは、疲労がピークに達していたからでしょう。それほど彼は見えないところでチームに貢献するプレーをしています。逆に言えば今のチームでは負担が大きすぎて、彼の良さが殺されてしまっているのです。