BS-iとSKY-AでJBL第1週の試合を観戦しました。会場で見たわけではないので細かいことまでは把握できませんでしたが、とりあえずレポートを。
■日立サンロッカーズ VS アイシンシーホース (57-67)
JBL開幕戦ということでか、派手な演出が行われていました。それに気圧されたのか日立はまるで初めてファイナルに出場したチームのように完全に浮き足立ってしまい、1Qは打てども打てどもシュートが入っていませんでした。対するアイシンはベテランチームの余裕か前半は完全に支配していましたが、後半に入ると日立の早い展開と激しいディフェンスに撹乱され、前半20点あった点差は4Qには1点にまで縮まってしまいました。
しかしこの窮地を救ったのがサブ出場の瀬戸山で、残り3分21秒52-53の1点リードの場面で3Pを沈めて52-56の4点差にすると、残り2分55秒には竹内譲治のタッチダウンパスをスティール、残り2分39秒の竹内公輔のゴール下に繋げて52-58と点差を広げることに貢献しました。
最終的にはファウルゲームで点差は広がりましたが、途中激しく競ったゲームとなり、会場で観戦していたファンは楽しめたのではないでしょうか。日立は1Qにもう5点入れておけば違った展開に出来たでしょうね。1Q、5分過ぎて得点ゼロなのに小野HCがタイムアウトを取らない理由がよくわかりませんでした。アイシンは竹内公輔が加入したことでバングラがガードとして動けるようになったことが強みになりました。JRと佐古は以前ほどの精彩が見られずこれからの長いシーズンが少し心配でしたが、鈴木HCの選手起用は絶妙なので、上手く乗り越えるのではないかと思っています。
■パナソニックトライアンズ VS トヨタアルバルク (89-104)
1Q、2Qとトヨタがリードし、後半もこのまま行くのかと思いきや、3Qでパナソニックがカスタスらの活躍で逆転に成功。しかし、焦りを見せないトヨタは残り2分を切ったところから岡田、佐久本、宮田らを投入し激しいディフェンスで点差を縮め、6点差で3Qを終えました。
実況をしていたABCのアナウンサーは松下の逆転に大興奮していましたが、解説をしていた山崎昭史氏に「4Qも走り続けられるのなら良いが、10点差くらいでは安心できない。トヨタはそれくらい完成されたチームだ。」と諭されおとなしくなってしまったのがおかしかったです。
実際に試合展開は山崎氏の言うとおりになりました。トヨタのチームオフェンスにパナソニックはフリーの選手を作ってスパスパとイージーシュートを決められてしまい、オフェンスも単発になって無駄なファウルが増え、逆転され突き放されて試合終了となってしまいました。
トヨタのスタメン5人は完成されていますね。完全に息が合っています。ボールマン以外の選手が常に動いているので、少しでもボールに目を奪われていると空いたスペースに走りこまれ、イージーシュートを許してしまうことになります。加えて古田の地味なプレーがフリーの選手を作るので、他の4人は気持ちよくオフェンスできています。こういう選手がいると本当に心強いですね。
第4クォーター、この試合の中で彼らの強さを証明するようなプレーがありました。最初見たときには何が何だかわからなかったのですが、コマ送りにして見て、わずか5~6秒あればこれだけのことが出来るのかと驚きました。文章だとわかりにくいかもしれませんが以下に書いて見ます。
2:17 右45度3Pライン付近にボールマン古田。ボールをトップの渡辺にパス。
古田をマークしていたキレットを、右ハイポスト付近にいたキャンベルがスクリーン。
古田ゴール下へカット。
2:16 キレットは古田を追いかけようとするが、
渡辺からキャンベルにパスが出ようとしているのを見て躊躇。
キャンベルと木下のミスマッチを見てか、キャンベルへダブルチームに行こうとする。
2:15 キレットのマークが外れた古田は、左ミドルポストにいた高橋のマークマン、竹田の元へ。
渡辺からキャンベルへパス。キャンベルは右ハイポスト付近でポストアップ。
2:14 古田が竹田の元へたどり着くとほぼ同時に高橋が右ローへゴール下をカット。
キャンベルはゴールを背にしたままドリブル開始。
キレットがキャンベルをダブルチームすべく飛び出す。
古田は竹田をボックスアウト。
2:13 キャンベルが木下をドリブルのままミドルポストの位置まで押し込む。
フリーになった高橋はゴール下へ到着。
キャンベルはキレットがマークに来たと同時にゴール下でフリーの高橋へパス。
2:12 パスを受け取った高橋はゴール下で楽々シュート。木下は高橋に追いつけず。
このプレーでトヨタの選手がそれぞれ動いた距離はたった数歩ずつですよ。こんなに少ない労力で得点できるのであれば、スタミナの心配もしないで済みそうです。なるべく楽にオフェンスして激しくディフェンスする、実に理にかなったバスケットではないでしょうか。いやー、トヨタってどれだけ攻撃のオプションを持っているのでしょうね。この先も注目して見ていきたいと思います。
■その他
BS-i(TBS)の中継はなかなか良かったですね。VTRもしっかり作りこんであるしアナウンサーの実況もちゃんとしていたし、試合の流れを把握したスイッチングは見ていてストレスを感じませんでした。そして何よりHD放送というのが嬉しい。SKY-Aの方は、相変わらずのパナソニック贔屓の実況をもうちょっと何とかして欲しいですね。それと試合の流れが分からなくなってしまうスイッチングは止めて欲しいです。監督の顔などどうでもいいカットでプレーをいくつ見逃したか。しかし放送してもらえるだけありがたいと思います。毎週JBLの試合を見れるなんてこんなに嬉しいことはありませんから。


画像を作成して追加しました。(2007/10/20)