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■ 第1Q

川崎ボールでスタート。最初の得点は篠山。チェンジオブペースで遠藤のマークを外し、レイアップでバスケットカウントを得る。

栃木は、このCS絶好調の篠山にディフェンダーの遠藤をマッチアップさせる作戦。辻に古川、長谷川に田臥がマッチアップ。田臥の激しいディフェンスに対し、長谷川はシーズン中に殆ど見られなかったゴールを背にするプレーを強いられる。

「レッツゴー栃木」の大声援を背に、栃木は激しいディフェンスから素早くボールをプッシュし、古川の3Pシュートとロシターのインサイドで着実に得点。栃木の得点が決まるたびに怒涛の大歓声が起こる。



篠山とファジーカスが抑え込まれた川崎は、辻を起点に加点。9-5と川崎が4点リードし早くも栃木がタイムアウトを要求する。この絶妙のタイミングのタイムアウトに僕はちょっと嫌な気分になる。リードしているとはいえ川崎はやりたいオフェンスができておらず、ここで修正されると後々厳しくなると思ったからだ。



実際タイムアウト明け後も川崎は、ファジーカスのシュートが全てショートになる。ファジーカスが焦って一人で攻めシュートを落とす川崎に対し、栃木はリバウンドを取ってアーリーオフェンスから得点を重ねる。


第1Qは川崎がオンザコート2、栃木が1。川崎としてはファジーカスを起点に内外バランス良く攻めて、このクォーターで引き離しておきたいところだった。しかし栃木がディフェンスで喰らいつき、点差を離すことができない。

中盤を過ぎ川崎は、辻とスパングラーの3本目の合わせと篠山の得点で2ポゼッション差とする。しかしその直後、田臥にディフェンスの隙を着かれてゴール下にパスを通され、すぐに2点差に戻される。

このCS、ボールが手につかないままシュートを打つ場面が多く見られたファジーカス。セミファイナル第3戦の爆発で調子を取り戻したかと思っていたが、ファイナルでは珍しく焦りが見られ、エースの焦りがチームメイトに伝染していくことが怖かった。

点差を広げて1Qを終えたかった川崎だが、栃木は練習の時からよくシュートが入っていた遠藤と須田が要所でジャンプショットを決め、リードを許さない。少しでも気を緩めると取り返しがつかなくなってしまいそうな緊張感の高い第1Qは、21-21の同点で終了した。

第2Q」に続く