■ 第1Q

滋賀が序盤から激しいディフェンスを展開し、スティールからの速攻で加点する。栃木はアウトサイドシュートがことごとく落ちる。滋賀は並里とサンバの2メンプレーでターンノーバーを出すも菅原が田臥からスティールし、サンバのダンクにつなげる。栃木のウィスマンHCはたまらずタイムアウトを取り、「自分たちのプレーをしろ」と檄を飛ばす。

それでも流れをつかめない栃木がギブスと渡邉を投入すると、滋賀はすぐさま小林、狩野、ブラッキンスを投入。スティールからの速攻、狩野のジャンプショットなどが決まり栃木に流れを持って行かせない。目まぐるしく選手を入れ替える栃木に対して滋賀は上手く対応し、第1Qは19-9の滋賀10点リードで終了する。

■ 第2Q

多彩な攻撃を仕掛ける滋賀に対し、栃木はロシターとギブスの2メンプレーを中心にインサイドで加点する。滋賀は中盤に入るとマブンガのパフォーマンスが極端に落ち、さらにジャッジに不満を見せて集中力を切らしてしまう。その隙に栃木は田臥の速攻からロシター、ギブスと繋いで27-24と3点差まで詰め寄る。ここで滋賀がたまらずタイムアウトを要求。

タイムアウト明け、古川のジャンプシュートで差を詰める栃木に対し、滋賀はブラッキンズのインサイドや3Pシュートで加点。栃木ギブスのターンノーバーやファウルにも助けられ、32-31と1点差に踏みとどまって前半を終える。

■ 第3Q

後半に入っても栃木は波に乗れない。サンバがゴール下で得点とファウルを稼ぐ滋賀に対し、栃木は連続でターンノーバーを出してしまう。さらに田臥のパスをカットした並里を竹内がファウルで止め、開始3分過ぎに5ファウルに陥いる。逆に波に乗る滋賀は、中盤に入るとようやくマブンガが目覚める。2本のフリースローと3Pシュートを沈め、さらにドライブからレイアップを決めて49-39とし、再び引き離しにかかる。

終盤に入っても単発のシュートが入らず得点が止まったままの栃木に対し、滋賀は勢いが止まらない。残り3分を切って並里のスティール、狩野の3連続3Pシュートが決まって会場のボルテージは最高潮に達する。残り30秒を切ると並里はスローダウン。時間を使って3Pシュートを決め、65-46の19点差をつける。ところが滋賀はディフェンスの戻りが遅れ、その隙を突いたロシターが残り1.9秒にドライブでバスケットカウントを決める。このプレーに対し並里がフラストレーションを爆発させ、チームメイトにいさめられる。

■ 第4Q

滋賀はパスミスから連続でターンノーバーを出し、ロシターに2本のブレイクを決められ、開始わずか45秒でタイムアウトを要求する。しかしタイムアウト明けも栃木に傾いた流れは変わらず、ロシターがインサイドでの得点、バスケットカウントやアシスト、ルーズボールを追って客席に飛び込むなど獅子奮迅の働きを見せる。


対する滋賀はまたもやマブンガのパフォーマンスが目に見えて落ち始め、徐々に並里とのプレーが合わなくなる。滋賀は1度はロシターを封じたものの、チームメイト同士でコミュニケートして状況改善できず負のスパイラルに陥り、チームプレーが崩壊。ターンノーバーを連発し、チームファウルは5に達してしまう。72-64の滋賀8点リードでオフィシャルタイムアウトへ。

オフィシャルタイムアウト明け、「これ以上ファウルをするな」との滋賀ベンチの指示が裏目に出たか、確実性を選んだ狩野のパスアウトはロシターに読まれ、速攻からAND1を決められる。残り4分25秒、点差は72-69の3に縮まりここを勝負どころと読んだか、栃木ベンチは田臥を投入。フルコートプレスでスローインボールを奪い、ロシターがゴール下をねじ込んで72-71の1点差に迫る。たまらず滋賀が後半2つ目のタイムアウトを要求。

タイムアウト明け、並里がフローターで74-71の3点差に戻すも、マブンガがファウルアウトしてしまう。滋賀は絶体絶命のピンチに陥るが、落ち着きを取り戻した並里がブラッキンズへのアシスト、ロシターからのテイクチャージ、ギブスをファウルアウトに追い込むなど活躍して栃木を突き放す。


だが栃木は慌てなかった。今日コールされたファウルの内容を全て覚えているかのようなプレーで、ロシターがブレントンが次々とファウルをもらい、確実にフリースローで加点していく。栃木の追い上げに浮足立った滋賀は、落ち着いてボールをフロントコートまで運ぶことができずターンノーバーしてしまう。そして残り1分7秒、3メン速攻からついに栃木が79-79の同点に追いつく。

残り1分6秒、滋賀はブラッキンズがファウルを受けフリースローを得るも、2本目を落とし80-79。リバウンドを取った栃木はロシターの長いパスを受けた遠藤が残り59秒、この日2本目になる1対1からのレイアップを決めて80-81として逆転に成功する。滋賀は並里のラストショットに賭けたが、エアボールでバイオレーションになり万事休す。4Qに集中力を出し切った栃木が大逆転勝利を収めた。


滋賀レイクスターズ 80-81 リンク栃木ブレックス

PTS:ロシター30、ブラッキンズ18、狩野16、並里15、サンバ14
REB:ブラッキンズ12、ロシター11
AST:並里7、ロシター5
STL:長谷川3

後編につづく