■第1ピリオド

栃木が田臥のレイアップで先制。前日よりも執拗にプレスをかける栃木ディフェンスの前にシュートが落ちる東芝だが、ベテラン大西がこぼれ球を押し込んで連続6得点する。しかし東芝は、ブレントンと交錯した長谷川が開始わずか1分半で負傷退場し、戦線離脱してしまう。東芝も前日よりもディフェンスのプレッシャーが強くなってはいるものの、インサイド・アウトサイドとバランスよくパスを回す栃木は、古川と渡邉が確立の良い3Pシュートでリードを引き寄せる。

栃木の体を張ったディフェンスの前にインサイド勝負できない東芝はアウトサイドシュートを狙うが、無理な体勢で打つため入らず、逆に栃木は残り3分56秒に速攻からロシターアウトサイドシュートを射抜いて12-18と点差を広げる。

さらに栃木はブレントンがトラップ気味のディフェンスからスティールし、ロシターの速攻に繋げて点差を広げる。タイムアウトを取った東芝だが攻撃はファジーカス頼みになって失敗し、ディフェンスではフリーの選手を作ってシュートを決められ、出された速攻をファウルで止めてインテンションを取られるというどうしようもない悪循環に陥る。

対する栃木はバローン、熊谷、田臥が確率良くシュートを決め、残り1分で14-29と15点の大量リードを奪う。第2ピリオドを待たずにセカンドオプションに変えた東芝はリズムが良くなるが、田臥がファウルで流れを断ち切り、16-29の栃木13点リードで終了。

■第2ピリオド

両チーム共にディフェンスのプレッシャーが強くなるが、東芝は藤井が奮起して、バスケットカウントを含む連続8得点を挙げる。さらに永吉のロシターを封じ込める気合のディフェンスと、藤井の体を張ったスティールが東芝に流れを引き寄せ、サンバのジャンプショットで残り6分23秒に26-34と点差を一桁にする。

シュートが落ち始めた栃木は残り5分54秒、渡邉がファウルで東芝の攻撃を止めた時点でオフィシャルタイムアウトを待たずにタイムアウトを要求。タイムアウト明け、栃木は渡邉が3Pシュートを決めて26-36と再び点差を二桁に戻してオフィシャルタイムアウトへ。

タイムアウト明け攻守の動きが良くなった東芝は、ファジーカスの6連続得点で32-36とし、栃木がタイムアウトを要求。タイムアウト明けもファジーカスの攻撃は衰えず、10連続得点にまで伸ばして3点差まで詰め寄る。栃木はロシターのフリースローやチップインで5点差に広げるも、東芝も大西がチップインして3点差に戻して38-41とし、このピリオドを終える。前半終了後に両チームがロッカーに戻る際、栃木は田臥がロシターを呼んで強い口調でアドバイスをしていた。

■第3ピリオド

東芝はファジーカスのスティールからの速攻で40-41と1点差に詰める。オフェンスの動きが速くなった栃木は、大西のマークが外れたブレントンがオフェンスリバウンドをもぎ取り、インサイドアウトからロシターの3Pシュートに繋げる。東芝はボール回しが良くなりファジーカスの攻撃まで繋ぐことができるようになるものの、栃木オフェンスに翻弄されて渡邉に3Pシュートを許すとさらに消極的になる。

ここをチャンスと見た栃木は田臥と渡邉が連続得点して残り6分7秒に44-53と点差を広げにかかる。たまらずタイムアウトを取る東芝だったが、攻撃はファジーカス頼みになり、オフェンスではボールを見てマークマンを見失い、オフェンスリバウンドを連続で取られて得点されるという悪循環に陥る。

逆に栃木はディフェンスではファジーカスを抑え、ディフェンスリバウンドから速攻を出してボール回しからロシターのインサイド、田臥から熊谷へのアリウープ、ブレントンのインサイドで東芝ディフェンスを翻弄して、残り4分18秒には点差を13にまで広げる。

辻のシュートが入らずオフェンスリバウンドも取れない東芝は、このピリオド3分40秒を残してスターターを下げ、セカンドユニットと入れ替える。攻守の戻りが速くなった東芝は、速攻からサンバが加点。さらに栃木のターンノーバーを誘って藤井が個人技でジャンプショットを決め、52-61と点差を一桁に戻す。対する栃木はバローンと古川を投入して高さとプレスに厚みを持たせ、熊谷がボーズマンのゴール下へのアタックや山下の速攻を叩き落し、ブレントンの速攻で加点して52-67の栃木15点リードで終える。

■第4ピリオド

開始からお互いにアウトサイドシュートが入らない。東芝は山下に代えて篠山を投入し、ほぼ昨年のスターターを揃える。栃木の速いディフェンスの寄せに対し、東芝はパスアウトから辻が3Pシュートを狙うも入らない。辻がだめならとファジーカスが3Pを狙うがこれも落ち、永吉がリバウンドに絡むが一人ではどうすることもできず、栃木にディフェンスリバウンドを取られてしまう。

栃木はこのチャンスに田臥が積極的に攻めてチャンスを作り、古川の3Pシュートとバローンのミスマッチを突いたインサイド攻撃で加点。辻のシュートが入らず突破口が見出せない東芝は、永吉とファジーカスがインサイドで1ON1を仕掛けるが、栃木はバローンがこれを封じ、ディフェンスリバウンドをもぎ取って田臥の速攻に繋げ、残り4分48秒に56-80と点差を24に広げたところでオフィシャルタイムアウトへ。

タイムアウト明け、東芝は辻が遠藤から3回目のファウルを受けて3本のフリースローを決めるが、栃木はすぐに渡邉が3Pシュートを入れ返す。シューターとリバウンダーのタイミングが合わない東芝はことごとく栃木にディフェンスリバウンドを取られて得点に繋げられ、残り3分33秒には栃木がバローンのジャンプショットで59-85と26点差を付ける。残り1分47秒になると栃木は控えの日本人選手のみになるが、それでも点差は大きく縮まらず、75-92で栃木が勝利した。

2014年10/11(土)とどろきアリーナ
PTS:ロシター22、渡邉19、ファジーカス34、藤井10
REB:ロシター10、ファジーカス15
AST:田臥7、ブレントン5、辻4
BLK:熊谷2、ファジーカス2
STL:熊谷3