■第1ピリオド

アイシンが桜木のベビーフックで先制。川村がコントロールする和歌山は、ハイポストのパーカーに繋げるが、パーカーはジャンプショットを2本落としてしまう。序盤は両チーム共にスローな展開になり、これが自分たちのリズムとなったアイシンは、柏木と桜木が正確なジャンプショットを沈めて3-8とリードする。しかし中盤に入ると、アイシンはパスミスやハンドリングミスでターンノーバーしてしまい、和歌山は2本の速攻で9-8と逆転し、自分たちのペースである速い展開に引き込み始める。

アイシンはすかさずタイムアウトを取り、柏木のジャンプショットと金丸の3Pシュートでリードするが、リズムに乗った和歌山を崩すことができず、和歌山のオフェンスを連続ファウルで止めることになってしまう。ファウルが重なり動きも重いアイシンに対し、和歌山は木下、中務が激しく動き回ってアイシンディフェンスを動かしてスペースを作り、川村の得点でリードを保つ。

アイシンは比江島のスティールからのダンクをきっかけに勢いを取り戻すが、攻撃がインサイド一辺倒の為パスを読まれ、連続でターンノーバーしてしまう。それでも尚インサイドを攻めるアイシンは、桜木のベビーフックとエドワーズのフリースローで加点し、15-18のアイシン3点リードで終了する。

■第2ピリオド

アイシンはオフェンスリバウンドに飛び込んだエドワーズがパーカーからファウルを貰い、フリースローで加点する。リズムが悪くなった和歌山は司令塔を木下に変え、川村に積極的にオフェンスさせてアイシンディフェンスを動かしにかかる。青野を入れて制空権を取ろうとする和歌山に対し、アイシンは橋本と喜多川を入れてアップテンポな展開に持ち込む。

これが奏功したアイシンは、橋本のスティールからの速攻と桜木のステップインからのインサイド攻撃で得点を重ね、19-24と点差を広げにかかる。これで流れがアイシンに傾くかと思われたが、アイシンのアウトサイドシュートが外れだすと和歌山はディフェンスリバウンドをしっかり取り、速い攻撃から木下と川村がファウルを貰ってアイシンの勢いを止める。

中盤に入るとアイシンはディフェンスでボールを見てしまい、マークマンを疎かにしてしまう。すると和歌山は、インサイドのリカートが内海や青野にパスを散らしてフリーで得点させる。和歌山はリカートが桜木に連続ファウルしてフリースローを与え同点に追いつかれると、チームが困った時に何とかする男、木下が個人技からのジャンプショットを入れ返して再びリードする。

和歌山はさらに内海がジャンプショットを入れて、アイシンに主導権を渡さない。終盤になると和歌山は運動量が落ちるが、川村がファウルを貰ってフリースローで時間をかけながら得点を重ねる。対するアイシンも運動量が落ち、桜木のラインクロスや橋本のシュートファウルで和歌山に流れを渡すが、なんとか和歌山のラストアタックを守り切り、38-34の和歌山4点リードで前半を終える。

■第3ピリオド

アイシンが比江島のジャンプショットで先制する。しかしその比江島が開始1分半で累積4ファウルとなり、早々にベンチに下がる。和歌山はリカートが攻守で活躍し、パーカーが桜木のシュートを叩き落す。チームで和歌山のディフェンスを崩すことのできないアイシンに対し、和歌山はアイシンディフェンスの裏をつきながら、中務~リカート~ゴール下のパーカーにパスを繋いで楽に得点する。中盤に入ると和歌山のディフェンスも甘くなるが、動きの重いアイシンは柏木がオープンのシュートを連続で落とし、桜木の個人技も守り切られてしまう。

タイムアウトを取ったアイシンは、ヤングがパーカーからオフェンスファウルをもぎ取って流れを引き戻し、金丸が約2分半ぶりに得点する。対する和歌山は、川村がフローターシュートを落とし、残り5分1秒にアイシンの速攻をファウルで止めたところでオフィシャルタイムアウトを待たずにタイムアウトを要求する。

タイムアウト明け、アイシンは柏木のスティールから金丸の速攻で得点する。しかし和歌山はバックコートに残ったパーカーにパスを繋ぎ、すぐさま入れ返して点差を詰めさせない。終盤に入るとアイシンは喜多川とエドワーズの2メンプレーで得点し、ハリーバックで和歌山の速攻を防ぎきる。

しかし柏木の3Pシュートは落ち、リカートにディフェンスリバウンドを取られ木下に3Pシュートを入れられて、流れを引き寄せられないばかりか52-44と点差を8に広げられる。この後お互いに点を取り合い、59-51の8点差のままこのピリオドを終える。

■第4ピリオド

アイシンはパスを回すも和歌山のディフェンスを崩せず、シュートを打てない。和歌山は第3ピリオドの殆どで力をセーブしていた川村が動き回ってディフェンスを引き付け、中務の3Pシュートをアシストして62-51の11点差に広げる。アイシンは桜木とエドワーズが青野と激しくやりあってファウルを取られるが、橋本と柏木のダブルガードにしたことが奏功して青野のターンノーバーを誘い、柏木が速攻を出して木下からファウルを貰う。アイシンは和歌山の攻撃を封じて柏木がアーリーオフェンスを展開しようとするが、桜木とヤングの攻撃参加が遅く、ハーフコートオフェンスからやり直しになってしまう。

アイシンは中盤に入るとそのヤングが奮起し、ディフェンスリバウンドをもぎ取って速攻に走る。和歌山はヤングへのパスを読んだ中務がスティールして速攻に走り、パーカーにパスするも乱れてボールが外に出ると、怒り狂ったパーカーが激しいアクションで中務に喝を入れる。

62-56の和歌山6点リードでオフィシャルタイムアウト明け、両チーム共に速い展開で攻めるが連続でシュートを落として点が動かず、時間だけが過ぎていく。残り3分6秒、アイシンはヤングがゴール下で得たフリースローを2本とも落とすが、このリバウンドを金丸が拾う。金丸のシュートは落ちるがヤングがリバウンドを取り、ファウルを貰ってフリースローを得る。ところがヤングはまたもこのフリースローを2本落としてしまう。

対する和歌山は川村がコントロールしてペースダウンし、木下が試合を決定づける3Pシュートを沈めて、残り2分18秒に65-56と9点差を付ける。さらに和歌山は、川村が緩急をつけたドライブからシュートフェイクし、ヤングのファウルを誘ってフリースローを得て、ゲームの仕上げに入る。

アイシンは比江島のシュートが連続で落ち、残り1分30秒からファウルゲームに出るが、和歌山は中務、パーカー、川村がフリースローを入れて点差を縮めさせない。さらに木下が1本外したフリースローを自ら取ると、アイシンはファウルゲームも諦める。最終的には73-59で和歌山がこの消耗戦に勝利し、ウェストカンファレンス優勝とファイナルへの切符を手に入れた。

PTS:パーカー18、川村14、木下12、桜木16、柏木13
REB:パーカー12、エドワーズ7、桜木7
AST:リカート3
STL:柏木4
BLK:パーカー2