第1ピリオド、栃木は古川が連続で3Pシュートを決めてリードする。前日に比べてどこか動きの重い栃木に対し、軽快な動きのトヨタは、速い戻りで栃木の速攻を連続で阻止する。序盤は栃木がブレントンのペネトレイトなどでリードするが、徐々にシュートがショート気味になり、トヨタがディフェンスリバウンドを取って速攻で追い上げる。中盤に差し掛かると栃木は目に見えて運動量が落ち、ブレントンが手詰まりになるなど、トヨタのディフェンスを崩せなくなる。
残り5分を切って7-12とリードされるトヨタは全く焦りを見せず、地道にディフェンスして栃木のターンノーバーを誘い、流れが来るのを待つ。お互いに得点を重ねて終盤に入るとトヨタのディフェンスが効き始め、栃木はピック&ロールでも崩せなくなり連続でシュートを落とすようになる。栃木はそれでも田臥が3Pシュートを決めて主導権を保つが、終盤にブレントンがファウルして5ファウルになり、菊池がフリースロー2本を入れて20-21とトヨタが1点差に詰めてこのピリオドを終了。
第2ピリオドに入るとトヨタはアグレッシブに動き始める。速いパス回しで栃木ディフェンスを動かし、守っては高い位置からプレッシャーをかけてタフショットを打たせる。パスが回らずドリブルでトヨタディフェンスを崩そうとする栃木は次第に消耗し、ディフェンスが後手になってしまう。トヨタは竹内がディフェンスリバウンドをもぎ取り、リッチーがインサイドで得点して、開始2分半足らずで26-25と逆転する。しかし栃木は大きく崩れることはなく、ブレントンが動き回ってトヨタのパスミスを誘い、攻撃に置いては速いパス回しからインサイドで得点。一進一退の攻防になる。
28-29の栃木1点リードでオフィシャルタイムアウト明け、栃木はゾーン気味のディフェンスでディフェンスリバウンドを取り、連続で速攻を決める。栃木はトヨタの3秒バイオレーションを取ってもらえなかったり、押し出された田臥がアウトオブバウンズを取られたりと不運が重なりながらも、網野のレイアップや田臥のバンクショットなどで加点。残り1分48秒に29-37と点差を8に広げる。できるだけ点差を開けて前半を終わりたい栃木だったが、ディフェンスが甘くなり、トヨタは田中(大)が3Pシュートを決めて33-37と4点差に詰める。トヨタは終了間際にもセットプレーから高橋が3Pシュートを入れて流れを守り、36-39の栃木3点リードで前半終了。
第3ピリオド、両チーム共にプレッシャーが激しくなる。栃木はトヨタのディフェンスの前にパスミスを連発してしまい、トヨタはオフェンスリバウンドを取ったギブスが連続でゴール下で得点して逆転。激しいトラジションの連続に消耗した栃木は、速い戻りのトヨタディフェンスを崩せず、何とか打ったシュートもショートになって落ちてしまう。栃木は渡邊がわざとファウルしてタイムアウトを取るが、トヨタは菊池を投入して古川をマークさせ、さらに栃木を消耗させる。1ゴールも上げることができない栃木だったが、田臥のスティールからの速攻をきっかけに息を吹き返し、残り5分を切って山田のフリースローでようやく得点して42-41とする。
終盤に差し掛かると栃木は足が重くなり、トヨタの攻撃をファウルで止めることになってしまう。残り3分34秒、ここを勝負どころと読んだトヨタのベックHCは岡田とギブスを投入。岡田のスティールから速攻を出して再逆転し、ギブスがオフェンスリバウンドを押し込んで突き放しにかかる。苦しい栃木は田臥が岡田にフェイスガードされ、トラベリングを犯すなどらしくないミスも犯してしまい、流れは完全にトヨタに傾いたか、と思われた。しかしトヨタはギブスと岡田がシュートを外し、田臥に岡田がファウルしてフリースローを与え、同点に追いつかれる。気力だけで戦う栃木は遠藤が終了間際にスティールするも田臥のシュートは外れ、46-46の同点のまま最終ピリオドへ。
第4ピリオド、トヨタはコートを広く使ってボールを回し、伊藤が3Pシュートを決める。さらにトヨタは田中(大)が前日活躍した渡邊を厳しくマークし、攻めてはフリーのジャンプショットを正確に決める。途切れることのないトヨタのディフェンスを栃木は振り切れず、割って入った田臥のレイアップは無情にも落ちてしまう。トヨタはさらに田中のスティールから3人が走って速攻を決め、残り7分に55-48と7点差に広げたところで栃木がタイムアウトを要求する。タイムアウトが開けても栃木の消耗は激しく、ディフェンスではボールを見てしまって田中(大)に裏を取られ、ゴール下で得点されてしまう。
中盤に差し掛かって足が止まりがちになった栃木はファウルが増え、残り5分を待たずに5ファウルに陥る。59-48の11点差のままこのピリオド後半に入ると、栃木は山田とロシターが踏ん張ってリバウンドをもぎ取り、古川が3Pシュートを決めて1桁得点差にする。オフィシャルタイムアウト明け、スローダウンしたトヨタは松井が3Pシュートを打つも落ち、田中(大)が古川の頭越しにオフェンスリバウンドをもぎ取る。セカンドチャンスを得たトヨタは、伊藤が田臥とロシターを引き連れてゴール下に切れ込んでパスアウトし、マークマンの古川がリッチーへのカバーで外れてフリーになった田中(大)が3Pシュートを決め、残り3分58秒に62-51の2桁差に戻し、事実上のとどめを刺す。
栃木はロシターのゴール下で得点するも、ディフェンスする余力が残っておらず、高い位置から当たることができない。スペースが生まれたトヨタは余裕を持ってシュートを打ち、伊藤の3Pシュートでさらに引き離す。タイムアウトを取った栃木は最後の力を振り絞って激しくディフェンスし、ギブスのタックルを喰らってコート外に吹っ飛ばされた田臥が足を引きずりながら得点し、最後の最後まで諦めない意地を見せるも時間は無情に過ぎ、74-59でゲームセット。トヨタがカンファレンスファイナルへの切符を手にした。
PTS:松井14、ギブス12、田臥15、古川15
REB:松井10、リッチー9、ロシター14
AST:菊池4、伊藤4、田臥4
STL:田臥4
BLK:ロシター4