第1ピリオド、トヨタが伊藤の3Pシュートで先制。栃木は渡邊が不運なファウルを取られるも乱れず、ロシターのスティールからチャンスを作り、渡邊、古川の得点でリードする。ハーフコートで高い位置からプレッシャーをかける栃木の前にトヨタはパスを回せず、ギブスがインサイドに切れ込むもシュートを落としてリバウンドを取られる。速い展開で攻撃し、ロシターの得点で勢いに乗ったかに見えた栃木だったが、悲劇は突然に起きた。オフェンスリバウンドを押し込んだロシターが着地で左足首を捻ってしまい、支えられながらコートを離れたのだ。
手負いの栃木に対しトヨタは容赦なく襲いかかる。田中(健)が田臥からスティールし、ファウルで止めた田臥がアンスポーツマンライクファウルを取られる。ここは栃木ホームですか?というくらいの大ブーイングが巻き起こるが、田中(健)は冷静にフリースローを2本沈め、さらにギブスがゴール下で得点して9-9の同点に追いつく。この完全なるトヨタペースの中、残り5分11秒、栃木はロシターをコートに戻す。
栃木は足を引きずりながら走るロシターが速攻からレイアップを決め、田臥が連続でファウルを貰う。さらに古川の3Pシュート、渡邊のスティールからロシターのゴール下と立て続けに攻め立てて流れを引き戻す。終盤になっても栃木の猛攻は続き、リバウンドを取ったロシターがそのままボールを運び、渡邊からのリターンパスを受けてダンクを叩きこむと会場はさらにヒートアップ。伊藤に代わって二ノ宮がコントロールするトヨタはオフェンスのリズムが崩れ、菊池が連続でシュートを外した上、二ノ宮がレイアップをロシターに叩き落される。集中力の途切れない栃木は古川が松井からスティールし、松井からラリアットのお返しを喰らってアンスポーツマンライクファウルをもぎ取る。このフリースローを古川が2本とも決め、18-26の栃木8点リードで終了。
第2ピリオド、トヨタは栃木の速い攻撃に対応できず、ファウルを重ねてしまう。栃木はゴール下のギブスをダブルチームで守り、速い攻撃からブレントンと遠藤のコンビプレーで残り7分52秒に20-31と11点差を付ける。岡田がスクリーナーのブレントンを突き飛ばして無駄なファウルを取られるなど苛立ちの見えるトヨタは、ディフェンスにおいて皆がボールを見てしまい、栃木に簡単に裏を取られ得点を許す。
このピリオド前半に飛ばしすぎた栃木は中盤になると動きが落ち、ディフェンスファウルが増え始める。するとトヨタは息を吹き返し、松井や岡田の3Pシュートで追い上げる。栃木は苦しみながらも踏ん張ってディフェンスし、両チーム共にスティールとリバウンドの取り合いになって攻守が激しく入れ替わる。ここで再び苛立ちを見せ始めたトヨタは、ギブスがボールの無いところで田臥を付き飛ばし、チームファウルが5つになりフリースローを与えてしまう。終盤になりやっと落ち着きを取り戻したトヨタは、栃木の執拗なディフェンスをパス回しで振り切り、松井と竹内の得点で38-44と6点差にして前半を終える。
第3ピリオド、トヨタはディフェンスのプレッシャーを強めて栃木にパスを回させず、連続スティールから得点に繋げて同点に追いつき、開始2分足らずで46-44と逆転する。タイムアウトを取った栃木は速攻から田臥やロシターが得点するが、立て続けにファウルを取られて残り6分9秒に早くも5ファウルに陥ってしまう。栃木はファウルすれすれのトヨタのディフェンスの前にボールが回らず崩すことができないが、ロシターのタフショット、山田のバスケットカウントワンスローで何とか喰らいつく。さらにトヨタのパスを狙い続ける田臥がスティールし、速攻からロシターにアシストして再逆転する。
トヨタは中盤を過ぎてガードを変えたことが奏功し、正中が連続で栃木のディフェンスを破って得点する。栃木は得点しては追いつかれる苦しい状況の中、田臥が縦横無尽に動き回って連続スティールする。しかし勢い余って岡田に接触してしまい、残り2分35秒、個人ファウル4つでベンチに下がる。田臥が下がるとリズムが悪くなるのがこれまでの栃木だったがこの日は違った。渡邊の5連続得点、ロシターのブロックショット、山田と古川のゴール下の得点で64-67とリードしてこのピリオドを終了する。
第4ピリオド、田臥が下がったままの栃木は古川の連続得点で加点する。栃木の執拗なディフェンスの前にトヨタは動きが重くなってシュートが入らず、苛立ちを露わにして栃木の攻撃を連続ファウルで止めるという悪循環に陥る。栃木も疲労で苦しいはずながら集中力が途切れず、速いパス回しでトヨタディフェンスをかく乱し、渡邊と遠藤の3Pシュートと山田のジャンプショットで点差を広げにかかる。さらにルーズボールに飛び込んでマイボールにし、渡邊の3Pシュートで残り5分39秒に69-81の12点差にしたところでトヨタがタイムアウトを要求する。
タイムアウト明けも栃木のペースは変わらず、ブレントンがギブスのパワーに負けずにバックレイアップを入れ、ディフェンスリバウンドを取って攻撃に繋げる。タイムシェアが特徴のはずのトヨタは選手を変えることができず、同じ選手が出ずっぱりになる。残り3分50秒72-83の栃木9点リードの場面、栃木は4ファウルの田臥をコートに戻す。すると再び栃木のオフェンスにリズムが生まれ、田臥の連続アシストから渡邊と山田が得点する。
さらにロシターをコートに戻した栃木は、トヨタにタフショットを打たせてリバウンドをもぎ取ることに成功する。トヨタは残り2分を切って岡田がようやく3Pシュートを入れ79-87とするが単発に終り、残り1分1秒からオールコートプレスに出る。81-91の10点差ながら残り30秒を切ってもファウルゲームに出ないトヨタに対し、栃木はロシターがダメ押しのジャンプショットを決めて万事休す。最後には山田のダンクも飛び出し、81-95で栃木が勝利をもぎ取った。
PTS:渡邉23、ロシター16、ギブス27
REB:ロシター13、ギブス14
AST:ブレントン7、田臥5
STL:田臥4