≪「序章」へ
≪「第1Q」へ
≪「第2Q」へ

■ 第3Q

「このままゲームプランを変えないでいこう」「後半、辻が打ってくるかもしれないから気を付けよう」。栃木の選手たちはハーフタイム中も声を掛け合う。

その言葉の通り、栃木は古川が辻を執拗にマーク。すると辻がコーナーで待つ篠山へスキップパスを通し、篠山の3Pシュートが決まって40-43の3点差に迫る。さらに川崎は篠山が田臥のボールをカット。しかしヘルドボールになり、トップからロシターがフェイドアウェイシュートを決める。

どちらのチームも流れを引き寄せたい場面、栃木は田臥がノーマークのジャンプショットを決め、川崎は辻がフェイドアウェイショット、ママドゥがジャンプショットとリバウンドショットを沈めて一歩も譲らない。

しかし川崎はファジーカスのフックショットがどうしてもショートになってしまう。ロシターのシリンダーを出たハンドチェックがファウルを取られないことに北HCが猛抗議をするが認められず、ファジーカス本人も集中力を欠いてファウルアピールが増える。

1点を争う攻防戦、集中力を失わなかったのは両チームのベテランの選手達だった。栃木は田臥が高確率でジャンプショットを沈め、川崎はママドゥがジャンプショット、リバウンドショット、フリースローを沈める。

中盤に入り、川崎はようやくファジーカスがいい形でこの日3本目のシュートを決めると、アーリーオフェンスで篠山が得点して52-51と逆転。さらにファジーカスが、ようやく取ってもらったファウルからフリースローを2本決めて、54-51と点差を広げる。

外が入らない栃木は熊谷と渡邊を投入。しかしパスが合わずターンノーバーを出してしまう。このまま流れが川崎に傾くかと思われたその時、事件が起こる。ヘルプディフェンスに飛んだ栃木の竹内がロシターの足に接触して背中から転倒。悶絶して起き上がれなくなってしまう。

栃木ファンから審判への怒号が飛び、このまま栃木がタイムアウトを取る。勢いに乗りかけていた川崎に嫌な空気が流れる。

タイムアウト明け、ファジーカスが2本のフリースローを決めて56-51と差を2ポゼッションに広げる。しかし、もう1本欲しい場面で辻の3Pシュートはエアボールになってしまう。うなだれてディフェンスに戻る川崎の選手たち。この隙を見逃さなかったのが交代したばかりのギブス。一人で一気にゴール下までボールを運び、たまらず篠山がファウルで止め、フリースローを得る。

早い展開になった栃木オフェンスに対して川崎はディフェンスが後手になり、さらにギブスにフリースローを与えて56-54の2点差に詰められる。

残り3分を切り、川崎はファジーカスに代えてスパングラーを投入。するとオフェンスのリズムが早くなり、篠山のフローター、ママドゥのスティールから長谷川の速攻で60-54とリードを広げる。

しかし栃木は慌てなかった。ギブスが強引にインサイドを攻め、スパングラーからファウルをもらうと、渡邊が難しい体勢から3Pシュートを決める。ああ、これゲーム前の練習でやってたやつだと記憶がよみがえる。さらにギブスのインサイドへの強引なアタックから得点し、6あったリードはあっという間に1まで縮まってしまった。

残り30秒を切って栃木ボール。川崎は藤井が渡邊に猛プレッシャーをかけて2本目の3Pを外させる。リバウンドを取り一気に駆け上がる篠山。ボールは藤井を経由して走りこんできたスパングラーに渡り、バスケットカウントAND1が決まって63-59の4点差。一気に盛り上がる川崎ベンチ。そしてついに、最後の10分間を迎える。

「第4Q」に続く。