■GAME1
第1ピリオド、東芝がボーズマンのペネトレイトからバスケットカウントで先制し、さらにファジーカスの速攻で加点する。東芝の厳しいディフェンスの前にトヨタはゴール下のシュートを連続で落とし、伊藤がスティールされて速攻を許す。ファジーカスが積極的に速攻の先頭を走る東芝は、インサイドとアウトサイドの選手が激しく入れ替わってトヨタのディフェンスを翻弄し得点。トラジションの速い東芝のオフェンスの前にトヨタはファウルを重ねてしまい、開始3分半で4ファウルに陥る。
中盤に入るとトヨタのプレッシャーも強くなり、スティールから速攻を出して得点し岡田の3Pシュートも入るが、すぐさま辻とママドゥに入れ返されて主導権を握ることができない。終盤になってトヨタは正中、菊池、松井を投入しディフェンスを強化すると、東芝も簡単に攻めることができなくなる。リズムを掴み始めたトヨタは、シュートが落ちるもののギブスが連続でオフェンスリバウンドをもぎ取ってセカンドチャンスを作り、ダンクを決めて残り1分18秒に20-20の同点に追いつく。しかしギブスがムービングスクリーンで辻を背後から突き飛ばし、オフェンスファウルを取られ攻撃のチャンスを失うと、菊池もボーズマンにスティールされて攻撃できず、24-20の東芝4点リードで第1ピリオドを終了する。
第2ピリオド、ファジーカスのベビーフックで東芝が先制。トヨタは菊池がトラベリングでチャンスを潰すが、第1ピリオドから激しいプレッシャーをかける正中が攻守に活躍する。守ってはスティールし、攻めてはルーズボールを拾ってチャンスを繋ぎ、流れを引き寄せはじめる。しかしトヨタは肝心のシュートが入らず、正中も松井もオープンのシュートを落とし、逆に山下に3Pシュートを入れられて、再び29-22と点差を広げられてしまう。それでもトヨタはシュートを打ち続けた効果がでたのか、中盤には松井とリッチーの連続3Pシュートが入り、残り6分18秒に29-28と1点差に詰める。ファジーカスへのマークがきつくなり、シュートを2本落としたのを見た東芝ベンチは、ボーズマンと加々美を投入。すると加々美がディフェンスで貢献し、リバウンドを取ってボーズマンの得点に繋げる。
中盤に入ると両チーム共にディフェンスが良くなりシュートが入らなくなるが、ファウルもないため笛が鳴らず、こう着状態のまま非常に速いペースでゲームが進む。オフィシャルタイムアウト明け、東芝は鎌田が山下との2メンプレーからファジーカスばりのフローターを決め、残り3分35秒に33-30とする。東芝は残り3分29秒に篠山、辻、ファジーカス、ママドゥを入れてほぼスタメンにすると、24秒を守りきり辻のバスケットカウントに繋げ、36-30と点差を広げにかかる。トヨタはすぐさまギブスと竹内のセットに変えるが得点要員の田中(大)のシュートが入らず、後手に回ってしまい立て直せない。東芝は終了間際には5ファウルに陥りギブスに連続でフリースローを与えるが、篠山や辻のシュートが高確率で入り43-34の9点リードで前半を終了する。
第3ピリオド、トヨタは伊藤の3Pシュートで先制。さらにコートを広く使ったパス回しで東芝のオフェンスを振り回し、ギブスがダンクを決める。しかし東芝のディフェンスがタイトになるとギブスのゴール下が外れ、岡田のオープンの3Pシュートも落ちる。トヨタは外がダメなら中で、と岡田がペネトレイトで得点すると、東芝はボーズマンとファジーカスが内外入れ替わって攻撃し、シュートファウルを得てフリースローで加点する。中盤に入ると東芝はファジーカスがゴール下を支配し、リッチーのシュートをブロックして、ファウルせずに田中(健)のシュートミスを誘ってリバウンドをもぎ取る。さらにエンジンのかかった篠山が3Pシュートを決め、リッチーからスティールし、速攻でファウルを貰う活躍でチームをけん引する。
トヨタは中盤に入っても東芝の集中したディフェンスを崩すことができず、岡田が苦し紛れの3Pシュートを外し、田中(健)のリバウンドショットはファジーカスに叩き落される。トヨタは我慢のディフェンスで守るが、東芝はルーズボールを拾った辻がゴール下のファジーカスにアシストし、残り3分16秒に51-43とする。タイムシェアできずに運動量が落ち、インサイドで得点できないトヨタは、唯一当たりのある伊藤がアウトサイドで得点する。一方の東芝はママドゥと篠山からアシストを受けたファジーカスが連続でダンクを叩き込み、55-45と点差を10に広げる。
残り2分10秒にタイムアウトを取り、正中、菊池、松井を投入して守りのオプションにするトヨタは、東芝の攻撃を防ぐことに成功するもののシュートが入らず点差を詰めることができない。トヨタのラストアタックを守り切った東芝は残り5秒から速攻を出し、篠山のパスを受けて残り1秒に辻が放った3Pシュートはノータッチでリングに吸い込まれ、60-45の東芝15点リードで終了。辻は雄たけびを上げ、篠山と体をぶつけ合って喜びを表現し、会場は大歓声に包まれる。
第4ピリオド、トヨタはリッチーのインサイドと正中の3Pシュートで追撃。さらに竹内がオープンのシュートを入れて、開始2分7秒で62-52と10点差にしたところで東芝がタイムアウトを要求する。しかしタイムアウト明けもトヨタペースは変わらず、パス回しで東芝ディフェンスをかく乱し、正中がこの日2本目のフローターレイアップを決めて点差を一桁にする。踏ん張ってディフェンスするトヨタは竹内が鎌田のジャンプショットを叩き落とし、鎌田のパスミスを誘って速攻に繋げる。しかし東芝はシャトルバックで戻ったボーズマンがこれをノーファウルで防ぎ、さらに山下のパスを受けて落ち着いてゴール下を決め、64-54と再び10点差にする。
10点リードされたトヨタは我慢の時間帯が続くが、ギブスがファジーカスのフェイクに引っかかってシュートファウルし、4ファウルでベンチに下がる。さらに伊藤がハンドリングミスして山下にスティールされ、得点に繋げられて68-54と点差を広げられる。オフィシャルタイムアウト明け、リッチーの個人攻撃一辺倒になるトヨタに対し、東芝は栗原とファジーカスが内外バランス良く得点を重ねる。15点リードをキープする東芝は、残り3分を切ってほぼスタメンに戻し、オフェンスリバウンドを取りながら時間を使って攻撃する。
15点をリードされたトヨタは、残り2分を切っても何も仕掛ないどころかパスミスを出して東芝に攻撃のチャンスを与え、ギブスのブロックショットから速攻を出しても正中がレイアップを落としてしまう。残り38秒にファジーカスを下げて日本人選手だけになった東芝は、ゲーム終了まで激しくディフェンスしてトヨタの得点を阻む。常に先手を取った東芝が78-61で勝利し、ファイナルへと続く貴重な1勝を手にした。
PTS:ファジーカス27、ボーズマン13、辻13、リッチー14、伊藤12
REB:ファジーカス10、リッチー13
AST:篠山5、辻4
STL:篠山3
BLK:ファジーカス2