■GAME1
第1ピリオド、お互いにアウトサイドシュートが入らず点数が伸びない。栃木は田臥が高い位置から篠山をマークして、東芝の速攻を阻止する。中盤に差し掛かり東芝は辻がボール運びをすると速攻を出せるようになるが、パスミスで連続してターンノーバーしてしまう。対する栃木は、田臥とロシターの2メン速攻やロシターのゴール下の得点で、残り5分18秒に10-4と点差を広げる。終盤に差し掛かると東芝はボーズマンの3Pシュートやママドゥのペネトレイトで加点し、同点に追いつく。栃木も徐々にアウトサイドシュートが入るようになり、18-15の栃木3点リードで終了。
第2ピリオド、田臥が動き回ってディフェンスを崩す栃木に対し、東芝はボールとプレーヤーの動きのリズムが悪く、ターンノーバーを出して速攻をファウルで止めるという悪循環に陥る。ボーズマンと鎌田のオプションに変えた東芝は動きが良くなるが、栃木は田臥のリバウンドやスティールから速攻を出して連続得点し、さらに東芝のゾーンディフェンスを崩して得点して残り4分57秒に33-23と点差を10にする。ファジーカスがコートに戻っても良い所の無い東芝に対し、リズムを掴んだ栃木は古川の3Pシュートやロシターのジャンプショットで残り2分24秒に40-27と点差を13に広げる。ところが田臥がベンチに下がると栃木はチームオフェンスが機能せず、得点がぴたりと止まってファウルが増える。ディフェンスの集中力も無くなった栃木に対して東芝は、栗原の3Pシュートや山下の速攻からのアシストで加々美がゴール下でフリーで得点し、40-32と点差を一桁にして前半を終える。
第3ピリオド、東芝は前半と打って変わって積極的に攻撃を仕掛けると、栃木も負けじとアグレッシブになって点の取り合いになる。残り7分48秒、東芝の速攻を渡邊がファウルで止めた際、通常のファウルしか取られなかったことに東芝ベンチが猛抗議する。HCの怒りが選手に移ったのか東芝は、辻、ママドゥ、ファジーカスが立て続けに得点し、残り5分54秒に46-45と一気に1点差まで詰める。さらにファジーカスが連続でオフェンスリバウンドを捻じ込んで、残り4分42秒に48-50と逆転。終盤に差し掛かると、栃木は田臥が鬼神のごとくタフショットを連続で入れてリードを取り返すが、殆どが田臥とロシターの2メン攻撃の為篠山にパスを読まれてターンノーバーし、速攻で逆転されてしまう。このピリオドは56-58の東芝2点リードで終了。
第4ピリオド、東芝は栃木のディフェンスをチームプレーで崩し、ゴール下フリーで得点を重ねる。残り8分9秒で56-62タイムアウトを取った栃木だったが東芝のゾーンディフェンスを崩せず点差が縮まらない。東芝はボーズマンが攻守にわたってチームプレーに貢献し、辻の3Pもアシストして58-67と点差を9に広げる。中盤に入ると栃木はディフェンスのプレッシャーを強めて東芝のターンノーバーを誘い、田臥のフリースロー、田臥のアシストから竹田と渡邊の3Pシュートで、残り4分に68-69として一気に1点差に迫る。お互いに加点した終盤、残り2分を切って栃木がロシターのシュートで72-71と再逆転したところで東芝がタイムアウト。セットプレーからゴール下フリーの大西にパスが渡るが、田臥がこれを叩き落す。残り1分を切って栃木の攻撃、田臥とロシターの2メンで加点して残り39秒に74-71と点差を3に広げる。東芝はタイムアウトを取って、セットプレーから辻がスクリーンを使って3Pシュートを入れて同点に追いつく。残り31秒からの栃木の攻撃を栗原のブロックショットで封じた東芝は、タイムアウトを取って残り4秒からのセットプレーに賭ける。篠山のスローインからアリウープを狙ったファジーカスが網野に倒されてコート外に押し出されるが、判定はなんとアウトオブバウンズ。東芝ベンチの猛抗議も実らず、74-74で延長戦に突入。
延長戦、東芝はファジーカスのアシストから、篠山が3Pシュート2本を含む8連続得点でリードし、さらに大西の3Pシュートでゲームを優位に進める。栃木は残り3分7秒にタイムアウトを取るが、チームオフェンスの呼吸が合わずターンノーバーしてしまう。残り1分を切って栃木はファウルゲームに出て、田臥の3Pシュートなどで喰らいつくが、
追いつくには至らずゲームセット。87-92で東芝が勝利した。
PTS:ファジーカス27、辻15、篠山14、ロシター36、田臥19
REB:ファジーカス20、ロシター18
AST:ボーズマン4、田臥11、渡邊4、竹田4
BLK:ファジーカス2
■GAME2
第1ピリオド、両チーム共に確立良くアウトサイドシュートが決まる。栃木は田臥と古川の3Pシュートに加えて、田臥の速攻が決まってリードする。追いかける展開の東芝は、篠山の3Pシュートやママドゥのリバウンドからの速攻で追い上げるが、突然ベンチテクニカルを取られる(このファウルをコールしたレフェリーは何か聞こえて吹いたのかもしれないが、ベンチ方向を向いていなかったのに、何故それが東芝ベンチから聞こえたものだと判断するに至ったかのかが謎だ)。妙な空気に包まれた東芝だったが、中盤からは持ち直し、速いボール回しからボーズマンがバスケットカウントを得て18-18の同点に追いつく。追いつかれた栃木だったが、ロシターが粘り強くファジーカスをディフェンスして得点させず、流れを持って行かせない。このピリオドは22-22の同点で終了。
第2ピリオド、栃木はロシターのシュートで先制し、東芝のゴール下をダブルチームの速い寄せで守る。残り9分12秒、栃木は田臥のパスを熊谷がファンブルしてボールが外に出た(ように見えた)ところを、二人のジャッジが異なる判定をするが、一番近くで見ていたはずのレフェリーが判定を覆して栃木ボールになり、これに東芝ベンチが文字通りズッコケる。重苦しい雰囲気になってしまった東芝に対し、栃木は田臥がブザーぎりぎりでタフショットを決めて、会場をさらに盛り上げる。有利にゲーム展開する栃木だったが、イージーなファウルが増えて、残り6分21秒に早くも5ファウルとなってフリースローを献上する。中盤に入ると栃木はゾーンディフェンスを敷くが、山下の3Pシュートで28-30と逆転されたうえ、24秒守り切られてしまう。オフィシャルタイムアウト後は両チーム共に点が伸びないが、辻とファジーカスが加点した東芝が31-36と5点リードして前半終了。
第3ピリオド、動きの戻った栃木は東芝の連続ターンノーバーなどから3本の速攻を出し、開始2分で37-38と1点差に詰める。栃木のプレッシャーディフェンスの前にシュートが入らない東芝だったが、ボーズマンやママドゥのゴール下へのアタックで栃木のファウルを誘発し、フリースローで得点。さらに速攻をファウルで止めさせて、残り6分35秒に早くも栃木を5ファウルに追い込む。苦しい展開の栃木はオフェンスでも攻め手を欠き、田臥が絡まないと得点に結びつかなくなってしまう。東芝は中盤からディフェンスをゾーンに変えた栃木に対し、辻のペネトレイトから篠山への合わせ、ファジーカスのポストプレー、ボーズマンの連続3Pシュートでゾーンを破り、残り2分8秒に46-58と点差を広げにかかる。タイムアウトを取り立て直したい栃木だが、田臥不在で攻守にリズムが無く追い上げることができない。このピリオドは48-62の東芝14点リードで終了。
第4ピリオド、後が無くなった栃木は田臥が激しく動き回り、アシストからの竹田の3Pシュートやロシターのゴール下で追撃。東芝は山下と栗原の3Pシュートなどで応戦し、点差を戻す。中盤になると、東芝は鎌田とボーズマンの息が合わなくなって連続でオフェンスを失敗し、残り5分34秒に栃木に58-70と12点差に詰められてタイムアウトを要求する。オフィシャルタイムアウト明け、ファジーカスと大西のセットに代えた東芝だが、ジャッジに不満を露わにすることが増えて、集中力を欠き始める。栃木は田臥がこれを見逃さず、高い位置からハードにプレッシャーをかけて東芝のリズムを更に狂わせ、一気に66-72と6点差に詰める。残り1分1秒にボーズマンを投入した東芝はようやくボール運びできるようになり、残り37秒の篠山の3Pシュートで68-75と7点リードして勝負を決定づけた、かに見えた。
タイムアウトを取った栃木は、田臥が2つのスクリーンを使ってトップからシュートを決めて70-75とし、残り23秒を切ったところでファウルゲームに持ち込む。フリースローのチャンスを得た東芝だが加々美が2本とも落とし、栃木は田臥が体制を崩しながらロング3Pを沈めて73-75とする。東芝はスローイン後もフリースローを得るが、会場の大歓声の前に辻が2本ともフリースローを落とし、リバウンドも取られてしまう。ファウルできない東芝は必死で守るが、栃木は古川のタフショットで75-75の同点に追いつき、延長戦に突入する。
延長戦、東芝は滑る床に足を取られながらもボールを回し、ママドゥがバスケットカウントワンスローで75-78とリードして、さらにママドゥのフリースローで加点する。集中力と気力で勝る栃木は、ロシターがリバウンドボールをスティールして同点ゴールを決め、さらに田臥のバスケットカウントワンスローで82-79とリードを広げる。残り45秒、東芝は篠山がシュートファウルを貰ってフリースローを得るが、またも会場の大ブーイングと大型プロジェクターのフラッシュに妨害されて1本落としてしまう。栃木は時間を使った攻撃からロシターがバスケットカウントワンスローを決めて4点差にし、万事休す。最後まで諦めなかった栃木が89-85で逆転勝利した。
PTS:田臥27、ロシター24、ボーズマン17、ファジーカス17
REB:ロシター15、ママドゥ11、ファジーカス10
AST:田臥8、ブレントン5
BLK:熊谷2
その他の結果は以下のとおり。