ミニバスのゲームを見ていると、パスミスでターンノーバーしてしまう、ディフェンスの数が多い方にドライブしてボールを奪われる、目の前にディフェンスがいっぱいいるのにタフショットを打ってしまう、味方とボジションが重なってしまう、味方とボールの取り合いをしてしまう、といったシチュエーションを良く見かけます。

僕はこれ全て、フロアの状況を把握できていないからだと思っています。逆に言うと、ルックアップ(顔を上げる)してフロアの情報を把握するだけで、かなりのことが改善できると思います。

ボールを貰う前にルックアップしてフロアを見ると、ディフェンスと味方選手の位置が把握できます。すると良いポジションが取れるようになるので、パスを受けて簡単なシュートが打てるようになります。ボールを貰ってからルックアップすれば、パス・シュート・ドリブル・ピボットの選択がしやすくなることに加え、それだけでシュートフェイクにもなります。

ルックアップすることで手元が見えず、ドリブルすることが不安になるかもしれません。そんな時は重心を低くしてパワーポジションを取り、フロアと自分の位置を近くしてやればいいのです。そうすることでボールがバウンドする距離が短くなり、ボールコントロールし易くなって安心感が生まれます。

話は少し逸れますが、昔スノーボードやっていた頃、人に教えるときには必ず「遠くを見なさい」と伝えていました。「ターンするにはどうしたらいいですか」という質問には、「自分が行きたい方向を見なさい」と伝えていました。スキーに転向してからも伝えることは同じです。

遠くを見ることでバーンの状況を把握できるので、どこでターンに入るか判断しやすくなります。行きたい方向を見ることで上体のひねりが生まれ、自然と板が回って簡単に曲がることができます。目線を意識することで得られるメリットは非常に大きいです。

人間の動きのすべては目線が先行します。全然違うところを見ながら動作をすれば、ほとんどの場合失敗します。スマホを見ながら自転車を運転すれば転倒します。非常に重要なのに意識することを忘れがちになるのもまた目線です。

バスケットボールやスキーに限らずサッカーやテニスでも、目線を意識することで少しプレーが変わってくると思います。視界を広くして、プレーを楽しめるようになってもらいたいと思います。

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ルックアップしてコートを見る東芝ブレイブサンダース神奈川・藤井祐眞選手(2015/3/7 赤穂市民総合体育館)