■ 1Q

両チームともにボールがよく回り得点を重ねる。しかしどこか集中力を欠く川崎は、藤井が連続でターンノーバーし、開始2分で篠山と交代する。

ゲーム開始から集中する大阪は、藤高の4人をかわしてのレイアップ、ハレルソンの3Pシュートで11-4と7点リードする。オフェンスの流れが悪い川崎は開始3分9秒、早くも一つ目のタイムアウトを要求する。

大阪は前日のゲームで3Pシュートが0/6だったハレルソンが奮起。この日3本目の3Pシュートを決める。前日からディフェンスを修正した大阪の前に、川崎は3本のパスミスを犯して大阪に攻撃を献上。北HCが「落ち着け」とジェスチャーする。

終盤川崎は、鎌田がファイの攻撃を守り切り、篠山がゴールにアタック。22-15の大阪リードで終了する。


■ 2Q

川崎は鎌田が果敢にゴールにアタックし、こぼれ球をねじ込んで得点。さらに体を張ってディフェンスしハレルソンを抑え込む。

川崎を突き放したい大阪だったが、ディフェンスでついつい手が出てしまい、藤高3つ目、合田2つ目の個人ファウルを取られる。残り5分28秒、川崎はここを攻め時と見たか、辻とファジーカスを投入。すぐに辻が3Pシュートを決めると大阪がタイムアウトを要求する。

タイムアウト明け、この日好調のハレルソンは、マッチアップがファジーカスとみるとアウトサイド攻撃に徹し、3Pシュートを決めて32-22と2桁リードに戻す。しかし大阪はまたもディフェンスファウルを犯し、流れを断ち切ってしまう。

川崎は終盤になると集中力が切れ始め、2本の速攻を浴びて連続得点を許す。すぐさまタイムアウトを要求した川崎は辻に代えて藤井を投入。藤井の3Pシュートとアシストで残り1分38秒、36-33と3点差に迫る。

残り1.4秒、大阪の攻撃を防ぎ切った川崎は、インバウンドからファジーカスのタッチダウンパスでゲインを狙う。しかし藤井はレシーブ成功せず観客席に飛び込む。前半は40-36の大阪4点リードで終了。

■ 3Q

攻撃のリズムが良くなった川崎はボールを回してディフェンスを動かし、後半開始1分3秒、長谷川の連続得点で40-41と逆転する。

しかし大阪も、スティールからの速攻や合田の3Pシュートなどで取り返し、藤高のアタックで8点リードにひっくり返す。

マクリンとファジーカスのフロア配置が定まらない川崎だったが、辻がコントロールし、3Pシュートとマクリンへのアシストで得点を重ねる。

川崎のディフェンスに手詰まりになった大阪は、攻撃がギブソン頼みになり連続でターンノーバーする。川崎はこれで得たチャンスに、長谷川とファジーカスの得点で残り3分39秒に54-55と再び逆転。

大阪のタイムアウト明け、大阪は木下とハレルソンがジャンプショットで得点。ディフェンスではファイが体を張って守り切る。終盤になるとお互いに激しくゴールにアタックするが守りも固く、60-57の大阪3点リードで最終クォーターを迎える。


■ 4Q

大阪はスティールからの速攻で上々の滑り出しを見せる。ところが勢いに乗るかと思った矢先、またもディフェンスファウルで藤井に3本のフリースローを献上してしまう。

これで波に乗った川崎は、ゾーンディフェンスからディフェンスリバウンドを確実に抑え、篠山とファジーカスのジャンプショットで逆転する。

中盤になると両チームともに強気のオフェンスで点の取り合いになり、拮抗したままゲームは終盤へもつれ込む。

75-77の川崎2点リードで残り41秒、大阪の速攻のチャンスを藤井が体を張って止め、マイボールにすると川崎はすぐにタイムアウトを要求。北HCが念入りに指示を出す。

残り39.3秒、川崎ボールのオフェンス。ハーフライン付近から長谷川のインバウンド。ボールはファジーカスを経て辻へ。トップにファジーカスを残して3人がベースラインに寄り、ペイントエリア付近に大きくスペースを開ける。

ショットクロック残り6秒、ゴールにドライブを開始する辻。合田のディフェンスがわずかに前に回り込んだその瞬間、辻はプルアップしてシュートを放つ。誰もが驚いたその3Pシュートは、美しい弧を描いてリングに吸い込まれ、75-80と川崎がリードを5点に広げる。

なんということか。開幕戦GAME2で辻が決めた逆転3Pシュートと、ほぼ同じ形で大阪にとどめを刺したのだ。

大阪のタイムアウト明け、冗談交じりに辻を小突くギブソン。そのギブソンのゴール下のシュートは決まらずファウルゲームへ。最終的には80-83で川崎が連日の接戦を制した。

2018年11月4日 おおきにアリーナ舞洲
PTS:ファジーカス24、ハレルソン23、ギブソン18、辻15
REB:マクリン12、ギブソン8
AST:藤井6、ハレルソン5、今野5
STL:辻2、マクリン2
BST:ギブソン2、ハレルソン2

ゲーム終了後の帰り道、ファンクラブブースにまいど君がいた。僕達は健闘を讃え合って固く抱き合い、「大阪のことも応援してるで。がんばってな!」と伝えた。彼は何度もうなずき、僕たちに手を振りながら、エレベーターの中へと消えて行った。