■GAME1
第1ピリオド、両チーム共にインサイドでの得点が続く。アイシンは金丸が中務にべったりとマークされて振り切れず、ボールに触ることができないが、柏木の3Pシュートや桜木とヤングのインサイド攻撃でリードを保つ。1ゴールを追いかける展開の和歌山は、リカートがバスケットカウントワンスローを決めて14-13と逆転。中盤になって足が止まりがちになったアイシンは、ディフェンスが後手になりファウルが増え、川村とリカートにフリースローを許して点差を広げられる。
終盤に差し掛かるとハードなボディコンタクトが増え、リカートが桜木に、柏木が木下にエルボーを喰らわせるなど、違う方向へエキサイトした展開になる。柏木がフリーのレイアップを落とすなど運動量が落ちたアイシンに対し、和歌山は中務が元気いっぱいに動き回り、ルーズボールやリバウンドを拾い集めて攻撃に繋げる。和歌山はディフェンスの裏を取ったパーカーがゴール下で連続得点し、ブザー間際にも川村が3Pシュートを決めて29-19として、和歌山10点リードで終了する。
第2ピリオド、和歌山は人間山脈青野がスクリーンでスペースを作り、守ってはインサイドへのパスをことごとく叩き落して攻撃に繋げる。これに対してアイシンは、ファウルで和歌山の攻撃を止めることになってしまい、悪循環に陥る。しかし桜木が下がり市岡が入るとトラジションが早くなり、中盤にはようやく金丸の3Pシュートも出て、一時は16あった点差を38-27の11点差まで戻す。さらにエドワーズが我慢強く青野をディフェンスし、和歌山にターンノーバーさせる。
オフィシャルタイムアウトが開けると両チーム共にディフェンスのプレッシャーが強くなり、容易に得点できずこう着状態が続く。アイシンは金丸が中務のマークにあってシュートできないが、ディフェンスを引き付けてアシストし貢献する。さらにアイシンはエドワーズが青野のマークを外して外からフリーでジャンプショットを決め、桜木がパーカーの頭越しにベビーフックを入れて40-36と4点差まで迫る。対する和歌山は、パーカーが連続でオフェンスリバウンドを押し込んで44-36とし、和歌山8点リードで前半終了。
第3ピリオド、アイシンは比江島が気を吐き何度も速攻に走る。すると徐々にアイシンの攻撃にリズムが生まれ、金丸がヤングとの2メンで和歌山のディフェンスを崩して得点し、川村、中務、パーカーのディフェンスファウルを引き出す。開始6分半で早くも5ファウルに陥ってしまった和歌山は、オフェンスでは積極的に攻めるもディフェンスが緩くなり、残り5分17秒に52-48と4点差に追い上げられる。
中盤に入って足が止まったアイシンだったが気力で持ち直し、柏木のスティールと比江島の速攻、エドワーズの粘り強いインサイド攻撃で残り3分25秒に53-52と1点差に迫る。終盤に入ると両チームのフロントコート陣がインサイドで点を取り合うが、和歌山はリカートが得点にリバウンドに活躍し、川村のSPシュートも入ってアイシンを突き放しにかかる。目に見えて運動量の落ちたアイシンは、プレーヤーが動かない為に比江島がパスを出せず、パーカーにパスを叩き落されてしまう。それでもエドワーズがゴール下で踏ん張って得点し、64-59と和歌山5点リードで終了。
第4ピリオド、和歌山は序盤から木下とパーカーが得点し、71-61と点差を10にする。アイシンはタイムアウトを取るが、市岡が状況を把握せずにプレーするのでボールマンとの息が合わず、オフェンスをことごとく失敗する。市岡を下げて桜木を再投入したアイシンは攻守にリズムが生まれ、エドワーズのゴール下と喜多川の3Pシュートで73-68と点差を5に戻す。
このピリオドの前半を75-71の4点ビハインドで折り返したアイシンは、比江島と桜木が連続で青野からスティールし、速攻を出して流れを引き寄せるが得点に繋げることができない。対する和歌山は、運動量が落ちて無理なシュートが増えるもパーカーが連続でオフェンスリバウンドを取ってチャンスを繋げる。残り3分を切ると点の取り合いになり残り36秒、アイシンはエドワーズがバスケットカウントワンスローを決めて81-80とする。ここで和歌山がタイムアウトを取り、木下に代えて永山を投入する。
残り36秒、和歌山ボールでプレー再開。和歌山は川村がボールコントロールするが、トップで切り返したところで金丸にボールを叩き落される。このルーズボールにアイシンは柏木と桜木が反応して飛び出すが、パーカーがいち早くこぼれ球を拾いローポストの青野にパス。エドワーズがすぐに青野に寄せるも、青野はコーナーで待ち受ける永山にパスアウト。残り18秒、永山が放った3Pシュートは綺麗な弧を描いてリングに吸い込まれて84-80に。諦めないアイシンはエドワーズのダンクで84-82の2点差に縮め、残り11秒に和歌山のスローインを比江島がスティールして攻撃するが、桜木のペネトレイトの前に青野が立ちふさがり同点シュートはならず、86-82で和歌山が勝利した。
PTS:川村24、リカート21、エドワーズ25、桜木17
REB:パーカー17、エドワーズ11
AST:木下5、川村4、桜木4
BLK:パーカー3
■GAME2
第1ピリオド開始2秒、和歌山がパーカーのアリウープで得点する。アイシンは気合十分のヤングが猛攻を仕掛けて、ゴール下で連続得点するが、桜木が開始1分にファウルを取られ、ジャッジにアピールし始めた頃から流れがおかしくなる。対する和歌山は、リカートとパーカーが連続でオフェンスリバウンドを奪って得点し、残り6分24秒に14-4と10点差を付ける。不満を露わにし集中力を失ったアイシンはディフェンスが機能せず、柏木が木下を見失って裏を取られて得点されるなど散々な状況に陥る。唯一ヤングのみが奮闘するアイシンは、ヤングがゴール下でシュートを落とし、ヤングがオフェンスリバウンドを取り、ヤングがシュートを入れて、残り4分半を切ってもヤングの8得点しか上げられない。
勢いに乗る和歌山は、アイシンのシュートミスやターンノーバーから3連続の速攻で得点し、残り2分59秒に22-8と大きく引き離す。アイシンは終盤になるとエドワーズが攻守に奮起し、ディフェンスリバウンドをもぎ取って速攻からアリウープを決める。しかしアイシンはその後もシュートセレクションが悪く、外した上にリバウンドも取れず後が続かない。個人攻撃しかできないアイシンに対し、和歌山はリカートから中務へのバックドアなどで得点を重ね、26-12の和歌山14点リードで終了。
第2ピリオド、橋本と喜多川が入ったアイシンは攻守の動きが良くなり、比江島のバスケットカウントワンスロー、喜多川のジャンプショットで連続得点する。さらにアイシンは、速攻からエドワーズがオフェンスリバウンドを押し込んで、開始2分弱で一気に26-19と7点差に迫る。リカートと根来のセットが機能しない和歌山は、すぐさまタイムアウトを取って青野とパーカーのセットに変える。7点差のまま中盤に差し掛かると、ゴール下のポジション争いでボディコンタクトが増え、和歌山は開始3分半で4つのファウルを重ねてしまう。トラジションのスピードが上がったアイシンは、比江島と喜多川の速攻で加点して点差を詰め、橋本が飛び込みリバウンドでファウルを貰ってフリースローで加点し、残り5分39秒に28-25と6点差に迫る。
オフィシャルタイムアウト明け、アイシンは内海に吹っ飛ばされ転倒した比江島がテクニカルファウルを取られるという、良くわからないジャッジに出鼻をくじかてしまう。それでもアイシンは、我慢のディフェンスで金丸、喜多川がスティールし、速攻を出してなんとか追いすがる。終盤に木下がコートに戻った和歌山はリズムが戻り、川村とパーカーが連続で3Pシュートを決めて、残り1分58秒に39-27としアイシンを突き放す。追い詰められたアイシンは、エドワーズが我慢のディフェンスでポジションを取り、川村のシュートを叩き落とし、何度もファウルを受けながらシュートしてフリースローを貰い、リバウンドをもぎ取ってチームに貢献する。しかし追いつくには至らず、41-32の和歌山9点リードで前半を終える。
第3ピリオド、アイシンはエドワーズが連続でリバウンドをもぎ取り、比江島が動き回ってチャンスを作って得点に繋げ、ようやく金丸も3Pシュートが入って41-37の4点差に迫る。アイシンペースになるかと思われた矢先、和歌山は川村が速い攻撃で金丸のファウルを誘い、さらに金丸のディフェンスをかわしてジャンプショットを決めて流れを持って行かせない。和歌山のファウルすれすれのディフェンスにアイシンのシュートは落ち、これを拾った和歌山は、木下とパーカーのジャンプショットで50-39と再び引き離す。
タイムアウトを取っても立て直せず、比江島の単発のシュートしか入らないアイシンに対し、和歌山はリカートがインサイドで得点を重ねる。終盤に入っても突破口が見いだせないアイシンは、我慢を重ねて柏木のフリースローで点差を一桁に戻すが、すぐに中務に3Pシュートで引き離され、せっかく奪ったボールは木下、川村、パーカーの波状ディフェンスにより奪い返される。それでもアイシンは、エドワーズがスティールし、ブロックし、リバウンドを取って和歌山の攻撃を封じ、金丸の速攻に繋げて残り1分11秒に57-49と点差を1桁台にする。しかし和歌山はアイシンに主導権を渡さず、木下と中務が3Pシュート沈め、63-49の和歌山14点リードで終える。
第4ピリオド、アイシンは比江島が果敢にゴールにアタックし連続得点するが、和歌山は運動量の落ちない木下と中務がジャンプショットを入れ返す。金丸が機能せず苦しい展開のアイシンは比江島と桜木が起点となり、エドワーズと比江島のジャンプショットなどで得点し、残り5分36秒に59-68の1桁差まで追い上げる。さらに橋本が木下を徹底マークして自由にプレーさせず、ボールを奪って得点に繋げる。この橋本の執拗なプレスに苛立った木下は、ファウルを貰ったにもかかわらず肘を振り回して無駄なアンスポーツマンライクファウルを取られてしまう。オフィシャルタイムアウト明け、橋本が2本のフリースローを沈め、さらにアイシンボールでゲームが再開。
我慢に我慢の時間帯を経て息を吹き返したアイシンは、桜木がリポストからゴール下で得点して残り4分28秒に68-65と3点差に捉える。追われる身の和歌山は、川村とパーカーのポジションが重なるなどして歯車が狂い始める。終盤になり追い上げるアイシンだったが、川村にスティールされ攻撃のチャンスを潰される。お互いに得点して2点差となった残り1分57秒、和歌山は川村が3Pシュートを決めて67-72と再び突き放す。タイムアウトを取り徹底的に桜木のアイソレーションで攻めるアイシンは、桜木とエドワーズのインサイドで3点差をキープし、比江島が中務のターンノーバーを誘いボールを奪う。攻撃に転じたアイシンは残り44秒、金丸が3Pシュートを決めて74-74の同点とし、遂に追いついてゲームは延長戦に突入する。
延長戦、アイシンは桜木がボールの無いところで青野にビンタして、いきなりアンスポーツマンライクファウルを取られる。和歌山はこのフリースローを青野が1本決め、さらにパーカーの3Pシュートで78-74とする。アイシンは延長戦に入っても桜木のアイソレーションで攻めるが、中務にパスを見破られてスティールされてしまう。川村、木下が3Pシュートを決める和歌山に対し、アイシンは桜木が露骨なイリーガルスクリーンでファウルを取られるなど散々な状態に陥る。それでもアイシンは、比江島が3Pシュートを決め、エドワーズがリカートに腕を引っ張られながらもリバウンドを押し込んで得点し、望みを繋ぐ。
残り42秒、アイシンは桜木のアイソレーションからの得点で、残り33秒に84-86と2点差に迫る。タイムアウトを取った和歌山は、セットプレーから川村がジャンプショットを打つも落ち、桜木にリバウンドを奪われる。アイシンは桜木からのタッチダウンパスを受けた金丸がレイアップを入れ、残り11秒に86-86の同点に追いつく。ここでオフィシャルがミスしてブザーが鳴り、選手がベンチに戻ろうとするが、アイシンは鈴木HCが早く戻れと選手に指示を出す。残り11秒、お互いにファウルは5つの場面、和歌山はスローインのボールを受けた川村が、リカートのスクリーンを利用しながらボールを運び、残り1秒で放ったシュートはノータッチでリングに吸い込まれ、88-86で和歌山が劇的勝利した。和歌山はシーズンラストゲームでアイシンを首位から引きずり落とし、ウェストカンファレンス1位に登りつめた。
PTS:川村22、パーカー22、エドワーズ21、桜木18
REB:リカート11、桜木12、エドワーズ10
AST:川村10、桜木7、比江島5
BLK:エドワーズ3
その他の結果は以下のとおり。
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