最終節までもつれ込んだ、カンファレンス首位争いとプレーオフ出場を賭けた戦いも終わり、いよいよ明日から最終決戦、プレーオフが始まる。長い長い長~いシーズンを勝ち抜いた6チームも、ここから先は負けてしまえばその時点で今シーズン終了。東芝の北HCが言うように、「ここからが本当の闘い」になる。
まずはイースタンカンファレンスセミファイナル。最後の最後で滑り込んだ栃木と2位をキープし続けたトヨタ東京の闘いは、トヨタ東京に分があると思われる。後半になって調子を上げてきた栃木だが、欠点と言わないまでも北海道が教えてくれた攻略方法がある。トヨタ東京のベックHCがそれに気付いていないはずはないだろう。
イースタンカンファレンファイナルになると、開幕から首位を守り通した東芝神奈川が待ち受ける。東芝神奈川はセミファイナルを戦わないで済んだとはいえ、それが吉と出るか凶と出るかはわからない。というのも、今年最初のゲームにおいてオールジャパンから試合のなかった東芝は、スケジューリングミスの都合で前週に兵庫とゲームを行い快勝した和歌山に、唯一の2連敗を喫しているからだ。
選手時代に嫌というほどプレーオフを戦った、北HCが率いる東芝神奈川のこと。同じ轍は踏まないだろうが、最終節に足を負傷して退場したボーズマンの状態が気にかかる。2週間の休みで回復し、万全の準備をすることができれば好ゲームが期待できるが、こればっかりは蓋を開けてみないとわからない。
一方のウエスタンカンファレンスセミファイナルは、アイシンが有利だと思われる。最後の最後で首位陥落したアイシンだが、和歌山に2連敗したことで足りなかったものがたくさん見つかり、さらに強くなっていると想像できる。しかし相手が三菱ということで、ハードなコンタクトが増えると考えられるので、怪我には注意したいところ。
アイシンがカンファレンスファイナルまで進んだとして、今度は和歌山が待ち受ける。しかし今度は前回と同じ結果になるとは思えない。あれだけの修正点がありながら、あれだけの我慢を重ねて和歌山に食らいついたアイシンの底力は、流石としか言いようがない。カンファレンスファイナルの会場は愛知県。地元の応援が支えてくれるおかげで桜木と柏木のメンタル面の崩れもないだろうし、三菱戦での消耗から回復できれば十分にリベンジ可能だ。
勝ち残り方式のプレーオフの戦い方はレギュラーシーズンとはまったく異なるので、これまでの戦績は当てにならず何が起こるかわからない。40分間、もしくはそれ以上集中し続けないとすべてが終わるという、息が詰まりそうな、心臓が止まりそうな戦いになることは間違いない。選手の皆さんにはクリーンな熱戦を期待しながら、ファイナルへの行方を見届けたい。