今頃ですが、昨年の11月に行われた兵庫対広島のゲームレポートです。

■ 第1ピリオド

兵庫はビッグマンがバッツ一人に対し、広島は竹内とパブ・ムールでインサイドを固め、リードをフォワードとして動かせて展開の速い攻撃を仕掛ける。兵庫はバッツをローポストに置いて、アイソレーション気味の1イン4アウトで攻める。

序盤、タフショットを打たされシュートが入らない兵庫に対し、広島はディフェンスリバウンドをしっかり取って、速攻やハーフコートでの合わせでリズムよく加点する。リードされる展開の兵庫だったが、中盤に入り中務と根来のジャンプショットやバッツのインサイドプレーで得点すると、ディフェンスも良くなり、パブ・ムールのトラベリングを誘うなどターンノーバーを引き出す。しかし、広島・リードが積極的にオフェンスで揺さぶりをかけると兵庫はディフェンスが後手になり、残り4分27秒にすかさずタイムアウトを要求する。

タイムアウト明け、両チーム共に加点するが、終盤になると広島が速いパス回しから攻撃を仕掛け、平尾から竹内へのゴール下の合わせや坂田の3ポイントシュート、竹内のリバウンドショットで着実に加点。ディフェンスでもタイトに守って兵庫にタフショットを打たせ、18-24の広島6点リードで終了する。

■ 第2ピリオド

兵庫はナイト、広島はチャップマンがイン。広島はインサイドのバッツをダブルチームで守り、タフショットを打たせてリバウンドを取ると、平尾のドライブインとチャップマンの速攻で、開始1分足らずに18-28の10点差とする。兵庫はトラブルに陥ったバッツを下げると、広島はすぐにミスマッチを突いたチャップマンのリバウンドショットで18-33と点差を広げる。残り7分49秒、兵庫がたまらず前半2回目のタイムアウトを要求。

タイムアウト明け、兵庫はマッチアップゾーンで守るが打開策にはならず、すぐにバッツをコートに戻す。兵庫は広島の激しいディフェンスを崩すことができないが、広島もこのチャンスに田中がレイアップを落とすなど差を広げることができない。中盤に入ると両チーム共にこう着状態となり点が伸びなくなるが、終盤になると兵庫が息を吹き返し、根来と道原のジャンプショット、谷の3Pシュートで追い上げる。

平尾を下げた広島は攻撃が単調になり、シュートが入らずディフェンスリバウンドを取られ、速攻をファウルで止めるという悪循環に陥る。残り1分37秒、たまらずタイムアウトを取った広島がディフェンスのプレッシャーを強めると、兵庫はパスミスが出て追撃できなくなる。前半は32-43の広島リードで終了。

■ 第3ピリオド

後半は兵庫が根来のジャンプショットで先制。広島はインサイドのバッツをダブルチーム、トリプルチームで囲むが、兵庫はバッツがうまくパスを捌き、残り7分58秒、谷が3ポイントシュートを沈めて37-45と8点差に迫る。インサイドではパブ・ムールとバッツの攻防が激しくなり、両チーム共に外のシュートを外して点が伸びなくなる。

中盤に差し掛かると兵庫は谷と根来の3ポイントシュートで加点し、さらにうまくダブルチームを振り切ったバッツがゴール下のシュートをねじ込んで、残り4分9秒に46-51と5点差に詰める。

兵庫の激しいディフェンスにタフショットを落とす広島だったが、竹内、パブムール、リードというトリプルタワーがオフェンスリバウンドをもぎ取り、柳川の3ポイントシュートで46-54と引き離す。対する兵庫はバッツのパスアウトから道原が3ポイントシュートを沈め、松島のスティールから速攻を決める。広島は選手が動かずボールも回らず攻撃が単調になり、速攻をファウルで止めるといった負のスパイラルに陥り、たまりかねた佐古HCがタイムアウトを要求。

しかし、タイムアウト明けも兵庫の勢いは衰えず、谷のフェイドアウェイシュートで53-56の3点差に迫る。完全に流れが兵庫に傾いたかと思われたその時、広島・パブ・ムールが兵庫・松島と細谷のレイアップを連続で叩き落し、自ら得点して53-62と9点差に広げる。兵庫は中務が3ポイントシュートを決めて会場を沸かせるが、広島も平尾がブザービーターの3ポイントシュートを入れ返し、56-65の広島9点リードで終える。

■ 第4ピリオド

お互いにディフェンスのプレッシャーが激しくなり無得点が続くが、兵庫はバッツのインサイド、谷のスティールから道原の速攻で残り7分18秒に60-65と5点差に戻す。兵庫・バッツは広島がダブルチームで守ってこなくなるとインサイドで果敢に攻め、チャップマンから連続でファウルを貰う。ここで広島がタイムアウトを要求。

タイムアウト後もチャップマンのファウルがかさむ広島だったが、兵庫はこのチャンスにナイトが無理な個人技でターンノーバーし、追い上げることができない。それでも兵庫はバッツがインサイドで体を張り、チャップマンからこのピリオドだけで4つの個人ファウル、5つのチームファウルをもぎ取る。ここでオフィシャルタイムアウトへ。

タイムアウト明け、広島はチャップマンに代わって入ったパブ・ムールがインサイドで得点。しかし残り4分23秒に平尾のファウルでフリースローを献上し69-72の3点差に迫られる。窮地に追い込まれたかに見えた広島だが、ゾーンとマンツーマンのチェンジングディフェンスで時間を稼ぎにかかる。相手のファウルトラブルをつきたい兵庫だったが、逆につまらないオフェンスファウルを取られてしまうなどして主導権を握れない。

落ち着いてボールを回し、ファウルをせずに着実に得点を重ねる広島とは対照的に、兵庫は個人技でタフショットを外してリバウンドを取られてしまう。残り2分22秒、広島・平尾の3ポイントシュートで69-79と10点差に広げられた兵庫はタイムアウトを取るが打開策にはならず、自らも5ファウルに陥り、最終的には71-83で広島が勝利した。

インサイドで体を張り続けた兵庫・バッツはゲーム終了後、しばらくベンチから立ち上がれずにいた。

2014年11/29(土)ベイコム総合体育館
PTS:竹内19、チャップマン12、根来16、谷14
REB:リード14、竹内8、バッツ7
AST:平尾6、リード5、バッツ4
BLK:パブ・ムール2、バッツ3
STL:谷2、バッツ2