■ 第1ピリオド

東芝がテンポよくシュートを決めて開始3分で9-0とし、アイシンがたまらずタイムアウトを要求する。東芝のシュートが落ち始めるとアイシンはバッツがリバウンドを奪い、比江島や金丸の速攻でリズムをつかみ始める。さらに不調のエース・金丸に待望のスリーが出るとアイシン応援団が一気に盛り上がる。

残り1分を切り18-11と東芝7点リードの場面、東芝は藤井がサインプレーを出すも失敗してターンノーバーになる。一瞬気が抜けたのか戻りが遅れた藤井に対し、東芝・北HCが激怒。「何やってんだ!早く戻れよ!」と聞いたこともないような高い声で叱責する。集中力を欠いた東芝に対し、アイシンは比江島のフリースロー、スティールからエドワーズの速攻で18-15と追い上げ、東芝3点リードでこのピリオドを終了する。

■ 第2ピリオド

東芝はオンザコート2の布陣。アイシンは激しいプレッシャーディフェンスで東芝にイージーシュートを打たせない。更にエドワーズの連続ブロックから速攻を出しリズムをつかみかける。しかし東芝は山下が冷静にゲームをコントロール。確実にシュートを決めて残り6分9秒に20-28とリードを広げる。ここでアイシンが2回目のタイムアウト。

タイムアウト明け、アイシンはバッツを投入するもチームオフェンスが機能しない。金丸の個人攻撃からのシュートは落ち、バッツのリバウンドは山下に奪われる。東芝は調子を上げてきたブッチがオフェンスリバウンドをもぎ取り、ファジーカスにアシストして貢献する。

オフィシャルタイムアウト明け、アイシンはエドワーズがブッチとの1対1から得点を重ねると、東芝・北HCはすぐにママドゥを呼ぶ。エドワーズの連続得点で一時は6点差にまで迫ったアイシンに対し、東芝はめまぐるしく選手を入れ替え、途切れないプレッシャーディフェンスでアイシンのパスミスを誘う。

2桁得点差が縮まらず苦しい展開が続くアイシンは、バッツのインサイド攻撃でなんとか喰らいつき、41-30の東芝11点リードで前半を終える。

■ 第3ピリオド

スターターに戻った両チーム。アイシンはバッツが奮闘し、オフェンスリバウンドを取ってアウトサイドにパスを供給し続けるが、金丸のシュートはことごとくリングに嫌われる。我慢のしどころのアイシンは、橋本が辻を徹底マークしてタフショットを打たせ、比江島のスリーで残り6分に45-36と点差を一桁に戻す。

消耗戦となりお互いに疲弊した両チーム。東芝・辻は足の治療でベンチに下がるが、アイシンは金丸も比江島も下げることができない。こう着状態が続く中、東芝・ファジーカスがバスケットカウントのフックショットを沈めコングポーズを決めると、アイシンも比江島がバスケットカウントをもぎ取りやり返す。

東芝はこのピリオド残り2分を切ってファジーカスをベンチに下げると、アイシンはエドワーズがブロックショットにスティールとディフェンスで貢献。さらに橋本のジャンプショットで点差を一桁に戻すが、東芝はブッチがスリーを沈めて再び引き離す。このピリオドは57-47と東芝が10点リードして終了。

■ 第4ピリオド

アイシンは比江島のペネトレイトからの得点で点差を一桁に戻す。東芝がパスミスからターンノーバーを出すとアイシンはリズムをつかみ、開始1分半で比江島のスリーで57-52とし、東芝を射程圏内に捉える。すぐさま東芝がタイムアウトを要求。

タイムアウト明け、東芝はファジーカスをコートに戻してオンザコート2にする。東芝は栗原がスリーを入れるとアイシンも比江島がスリーを入れ返し、お互いに一歩も引かない締まった展開が続く。東芝はエース・辻のスリーがリングに嫌われるも、藤井がコート外に飛び出してルーズボールを拾うと、またもブッチがスリーを決めて東芝ベンチを盛り上げる。

東芝コールとアイシンコールの大声援が響く中、ゲームはこう着状態になり、残り5分を切ってオフィシャルタイムアウトに入る。アイシンはタイムアウト明け早々にバッツがファウルアウトし、満身創痍のJRをコートに戻す。63-57と東芝6点リードのまま残り4分を切り、東芝が篠山とママドゥをコートに戻すと、アイシン・鈴木HCがタイムアウト要求する。

なぜこのタイミングのタイムアウトなのか、鈴木HCは何を仕掛けてくるのか。東芝・北HCはしばらく考え込む。腕を組み、ゆっくりと歩きながら考えた後、迷いを振り払うかのように選手に指示を出す。

タイムアウト明け、アイシン・金丸のスリーは落ち、東芝は辻のレイアップ、ファジーカスのスリーで70-61と点差を広げる。残り2分46秒、アイシンは2回目のタイムアウトを要求する。

タイムアウト明け、ボールコントロールする東芝に対し、アイシンは5回目のチームファウル。しかしこのフリースローを、ファジーカスは2本とも落とす。残り1分21秒、9点リードで気が緩んだかディフェンスが緩くなった東芝・篠山の頭越しに、アイシン・橋本がスリーを沈める。70-64、点差は6。すぐにタイムアウトを取る東芝。

タイムアウト明け、ステップを踏みボールキープする辻に対し、レフェリーが5秒バイオレーションをコール。アイシンボールに変わる。これに異を唱え、レフェリーにアピールする東芝の隙を見逃さないアイシンは、比江島がポップアウトした金丸にロングパス。3ポイントライン外から放った金丸のシュートはリングを貫き、わずか4秒で3点差に追いつく。

残り1分4秒、70-67の東芝3点リードでのオフェンス。北HCは延長戦を想定してか最後のタイムアウトを取らない。残り48秒、東芝・辻が放ったスリーはリングに弾かれ、ファジーカスのシュートはエドワーズにブロックされてコート外に出る。残り28秒、ショットクロック残り1秒。ディフェンスを振り切った辻は篠山のスローインをキャッチし、そのままシュート。このスリーが入って73-67。点差は再び6点差に広がる。

残り11.7秒、最後のタイムアウトを取ったアイシンは金丸がスリーを沈め3点差に迫るが、またも時すでに遅し。ファウルゲームを制した東芝が76-70で勝利。2年ぶり4回目のリーグ優勝を決めた。