bjリーグ開幕戦のチケットを頂いた。バスケファンとして是非見てみたいとは思っていたが、なんせチケットが高くて(コートサイド5,000円)二の足を踏んでいたのでまさに渡りに船、嫁と子供を連れてなみはやドームに行ってきた。

車で会場に着いたのは14:00過ぎ。335台入るという駐車場を目指して坂を上ってみると、どこにも車を止める場所がない。車を降りてスタッフらしき方に聞いてみると、満車なのでブロッサムに止めてくださいとのこと。え~、ホンマに満車かいなと信じられなかったが、迷っている暇はないので早々に駐車して会場に引き返した。

途中コンビニに立ち寄ると、会場から流れてきたらしき高校生たちが買出しの真っ最中で、レジには長蛇の列ができ、バイトのおばちゃん達が死に物狂いでレジを打っていた。おそらくこんなに売り上げがあることは滅多にないだろう。bjリーグは内需拡大にも貢献しているようである。よかったよかった。

また、試合が始まるまでの間にブロッサムで買い物をしてきた人たちもたくさんいたようで、「俺3,000円も使ってもーた」とナイキの袋を下げる高校生達も目にした。高校生なのにみんなお金持ちなんだなあと、チケット代をケチった僕は妙に感心してしまった。

会場に到着するとたくさんの観客でごった返していた。僕は期せずしてボルテージが上がってしまい、嫁と子供を置きざりにして空いている席を目指してダッシュをかました。観客の入りは上々のようで、関係者席っぽい広いブロック2箇所とゴール裏はぽっかりと空いていたが、それ以外はびっしりと埋まっており、観客の期待の高さが見て取れた。広報活動はまず大成功といったところだろう。

コートでは数々のセレモニーが粛々と行われていた。ランディ・バースのフリースロー、聖火点灯、メンバー紹介などが行われていた。歴史的開幕ということで数々のセレモニーを行うこと自体は良かったと思う。しかし、しかしである。MCのおっさんがなにかあるごとに、場内に響き渡るものすごくでかい声で「イェ~」だの「フゥ~」だのHGのように絶叫しながらアナウンスするので、鬱陶しいのを通り越してだんだんと気分が悪くなってきた。

「なんでもいいから早く試合してくれ・・・」と泣きたい気分になっているところに藤井隆の口パクライブが2曲。「エヴェッサ応援ソング」になった「ジェシー」という曲とバスケットとの関連はいったいなんだろうと考えていると、やっと選手がコートでアップを始めた。

しかし、「プロ選手のシューティングをお楽しみください!!」とのアナウンスとは裏腹に、その殆どがリングに嫌われていた。試しに数えてみると約20本に2~3本の成功率。周りから「プロの選手って上手いからプロなんじゃなかったの?」という声が聞こえる。

残タイマーがゼロになり試合が始まろうとするも、ティップオフにまでセレモニーが絡み仕切りなおし。サンダーバードのカウントダウンと共に、やっと、やっと試合が始まった。

試合が始まって腰が抜けた。なんと、試合中もMCのおっさんがドでかい声でずっと実況しているのだ。「さぁ~、45度から持ち込んで~」「ゆったりとボールを回しながら~」などと鬱陶しいたらない。更にシュートが決まるたびに「フゥ~」「イェェェェ」などと叫び、挙句「ガフッガフッ」とむせ返る始末。3セカンズバイオレーションの説明までくどくどされたときには、もー完全に萎えてしまった。

大音量にジンジンと痛くなる耳を押さえながら僕は耐えた。子供の耳を押さえながら、「一体GAORAの収録はどうなるんだろう」と余計な心配しながら耐えた。そして最初のタイムアウトが取られた第一クォーター3分半過ぎに、僕達は席を立ち会場を後にした。

波多野と栗野の対決など楽しみにしていた部分は多かったのだが、もー限界。あのままいれば前半が終わる頃には確実に難聴になってしまっていただろう。非常に残念だがもう会場で観戦することは二度とないと思う。あーあ。

しかしせっかくなので、3分半という短い観戦時間ながらも試合のレポートを書いてみたい。両チーム共スターティングは日本人2人と外国人3人。ディフェンスはマンツーマンでオフェンスはフリーだろうか。大分は右ローにポストマンを立ててローテーションするオフェンスが基本のようだったが、大阪は良く分からなかった。

意外だったのは大阪はロティックが1番をやっていたことだ。城宝は2番をやっていたが、試合が進むにつれなぜ彼が1番でないのかなんとなく理由が分かってきた。波多野はインサイドに潜ってのフックをブロックされたのが惜しかった。ポンプフェイクを入れていればファイルをもらえたかもしれない。しかしもっと見てみたいプレーヤーだと思った。

大分は日本人にほとんどボールが回っていないように見えた。ローポストにボールを落としていたのは最初だけで、ボールを持ったら1対1をしかけて無理に突っ込むか、すぐにシュートを打ってしまう外国人選手が多く、チームプレーが好きな僕としてはつまらなかった。また、両チーム共に外国人選手がプレータイムの殆どを占めていたので、ぱっと見にはどこか他所の国のマイナーリーグの試合を見ているような気分になった。身内の晴れ姿を見に来た日本人選手関係者もたくさんいただろうに気の毒である。

bjでは外国人選手の出場枠を設けていないようだが、今後プレーオフなど重要な試合になればなるほど外国人選手だらけになるだろう。それがbjの掲げる「プロフェッショナル」「エンターテインメント」なんだろうか。日本人選手の活躍を見ることにコーフンを覚える僕には良く理解できない。

試合は100-95で大分が勝ったと翌日の新聞で知った。大分が勝つことは予測できたが、100点のうち97点を外国人が取ったと知ったときには、さすがに「これでいーのか???」という気分になってしまった。「間違いなく3年で日本のトップになる(日経朝刊11月2日13版)」と河内コミッショナーは言っている。しかし、外国人選手の出れないオールジャパンで優勝できるチームがbjから出てきたときに、初めて日本のトップを名乗れると僕は考えるが、それはいつのことだろうか。