■3Q

後半開始早々、テンポよくオフェンスを展開する川崎は、マクリンのインサイド、篠山のフローター、辻の多彩な攻撃やファジーカスのリバウンドショットで6連続得点し、43-44と逆転する。

開始2分を過ぎても得点のない京都は、サイモンのパワープレイで打開。マブンガもスティールからの3Pシュートを決め再逆転する。

中盤に入るとマブンガは審判に暴言を吐き、前日は警告で済んでいたテクニカルファウルをコールされ、3ファウルとなる。それでもマブンガを下げない京都は、そのマブンガのキックアウトから岡田がスリーを決める。

チェンジングディフェンスで京都をかく乱しようとする川崎だが、京都・サイモンがこれにアジャスト。ペリメーターショットやゴール下のパワープレイ、速攻の先頭を走るレイアップで次々と加点する。

残り2分を切って京都がマブンガを下げると、川崎はファジーカスに代えてバンバを投入。機動力が上がった川崎は波状攻撃を仕掛け、セカンドチャンスで得点する。

残り19秒、京都・綿貫が弾いたボールを川崎・藤井が奪うと、なんと藤井がファウルをコールされる。呆然とする藤井。目の前で一部始終を見ていた京都・浜口HCは苦笑い。私設の川崎応援団の一部から「へぼ審判!」とのヤジが飛ぶ。

騒然とする会場。川崎ブースターからものすごいブーイングが起こるが判定は変わらない。すると応援団とは別の川崎ブースターからカワサキコールが起こり、それは大きな波となってハンナリーズアリーナに響き渡る。

ラスト19秒川崎のワンプレー、綿貫とのミスマッチを突いたバンバがゴール下にアタックするもシュートは落ち、 67-59で3Qを終了する。合わせに入っていたマクリンがなぜ自分にパスしないんだとゼスチャーするが、バンバはこれに取り合わない。何だか嫌なムードが川崎に立ち込める。

■4Q

川崎・辻が積極的にリングにアタック。これでマークが外れた藤井がアウトサイドから積極的にシュートを打ち、マクリンがリバウンドショットを決める。

川崎はインサイドへボールを入れ、京都のヘルプディフェンスが寄ると逆ローに合わせてイージーショットを決める。増田の初得点も決まり、盛り上がる川崎ベンチ。

現役大学生、増田のファイトに川崎のチームメイトも呼応する。マクリンが増田のアタックをフォローしてプットバックを決め、ファジーカスがインサイドで得点。71-67の4点差に縮まったところで京都がタイムアウトを要求する。

タイムアウト明け、京都はサイモンが奮起し得点を重ね、マブンガは川崎からテイクファウルを重ねる。しかしそのマブンガも4分8秒を残して4つ目のファウルを取られてしまう。

タイムアウトを取った川崎は、マクリンがインサイドでマブンガを攻める。手出しできないマブンガ。すると逆ローからサイモンが飛んできてマクリンにハック。マクリンのフリースローは1本落ち、ハックは成功する。

終盤にエンジンのかかった京都は、サイモンとマブンガがディフェンスをあざ笑うかのように得点を重ねる。タイムアウトを取った川崎は、辻が岡田のディフェンスを振り切って3Pシュートが決めるが、GAME1に続き6点が遠い展開が続く。

残り44秒、リバウンドをもぎ取った川崎・藤井が猛スピードでボールをプッシュ。しかし京都の戻りも早くディフェンスを振り切れない。

残り22秒、藤井からボールを受けた辻が自力で岡田のディフェンスを振り切ってプルアップジャンパーを打つ。この3Pシュートが決まって86-83の3点差に迫る。

京都はタイムアウトを取り、14秒のオフェンスを選択。川崎は京都・サイモンに対しダブルチームを仕掛けるが、辻がファウルを取られてしまい北HCはがっくり膝を落とす。

それでもあきらめない川崎。ボールマンに対して徹底的にダブルチームを仕掛け、ポゼッションを奪い、辻の3Pシュートに望みを託す。

対する京都は、マブンガの退場覚悟のファウルと粘り強いディフェンスで守り切り、88-85で勝利。川崎にとってはまたも「あと3点」が遠いゲームとなった。

2019年2月3日 ハンナリーズアリーナ
PTS:サイモン40、マブンガ23、ファジーカス23、辻20
REB:サイモン11、マクリン11
AST:マブンガ7、マクリン5、藤井4、辻4
FD:マブンガ8

体育館を出たところで、晴山選手が奥様と一緒に椅子に腰かけ、幼い娘さんを優しい眼差しで見ていた。川崎時代、やんちゃ坊主だったケビンは、京都に移籍して夫となり父となり、立派な男性に成長していた。ケビンの娘さんに手を振る北HCの姿が、気のせいか少し寂しそうに見えた。