第1ピリオド、東芝が辻のジャンプショットで先制。トヨタは田中(健)の3Pシュートを決めるものの、連続でパスミスして2本の速攻を出される。前日よりも厳しくプレッシャーをかけるトヨタに対し、東芝は篠山とファジーカスがショットクロックぎりぎりでジャンプショットを沈め、加えて篠山が残り6分18秒にジャンプショットを決めて13-7とリードする。中盤に入るとトヨタはディフェンスリバウンドをしっかり取り、岡田の3Pシュート、ギブスのインサイド、リッチーのターンシュートで得点し、じわじわと追い上げる。
終盤に差し掛かると東芝は、トヨタのプレッシャーの前にシュートが落ち始め、オフェンスリバウンドも取れなくなる。するとトヨタは、菊池の3Pシュートで3分42秒に15-17と逆転。さらにリッチーのリバウンドショット、ギブスのスティールからの速攻で加点し、15-21と点差を広げにかかる。東芝はタイムアウトを取るがトヨタの流れは切れず、攻守のリバウンドを制して東芝の攻撃を封じる。インサイドでの勝負が不利と見た東芝は、ボーズマンがアウトサイドにパスを捌き、復調の兆しを見せる栗原が3Pシュートを沈める。この一発で動きの戻った東芝は、ファジーカスのスティールから速攻を出すが、トヨタは松井が篠山からボールを奪い返し、リッチーがレイアップを沈める。さらにトヨタは東芝のラストアタックを守りきり、20-23のトヨタ3点リードで終了。
第2ピリオド、トヨタはファジーカスを二重三重のマークで抑え込み、タフショットを打たせてリバウンドを取る。攻撃の起点であるファジーカスがギブスに徹底マークされる東芝は、オープンのシュートも入らなくなり、大西の苦し紛れのジャンプショットは竹内に叩き落される。トヨタは正中のボール運びから速い攻撃を展開し、1分足らずの間に4つのディフェンスファウルをもぎ取る。さらにトヨタは正中と松井が3Pシュートを決めて、20-31と点差を二桁に広げたところで東芝がタイムアウトを要求。タイムアウト明け、東芝は加々美とボーズマンを投入して機動力を上げると辻のタフショットが入り、残り5分31秒にようやくこのピリオド初得点する。
オフィシャルタイムアウト明けもトヨタの流れは変わらず、東芝にタフショットを打たせてディフェンスリバウンドを取り、松井の3Pシュートに繋げ、残り4分14秒に22-36と点差を14に広げる。東芝はすぐさまボーズマンが個人技で高橋とリッチーをかわしてレイアップを沈めると、残り4分を切ってディフェンスをゾーンに変える。トヨタは2度このゾーンアタックに失敗するが、東芝のディフェンスがマンツーマンになるとすかさず岡田が3Pシュートを決めて、残り2分2秒に26-41と15点差にする。さらに伊藤が絶妙のディフェンスでファジーカスからオフェンスファウルを貰い、チームの大黒柱を3ファウルに陥れる。チームファウルが5つとなった東芝は、リッチーにフリースローを与えて26-43と17点差を付けられ窮地に陥るが、その後のトヨタの攻撃をマッチアップゾーンで守りきり、栗原と山下の3Pシュートで32-43の11点差に戻して前半を終える。
第3ピリオド、東芝は辻とボーズマンの速攻で前半から10連続得点とし、一時17あった点差を一気に7に縮める。開始1分半でタイムアウトを要求したトヨタは岡田が3Pシュートを決めるが、その後両チーム共にシュートが入らずこう着状態になる。ゴール下を徹底的に守り、ディフェンスリバウンドを奪う東芝に対し、トヨタは簡単にゴール下を攻められ岡田と菊池が連続でファウルしフリースローを与えてしまう。中盤に差し掛かりトヨタの動きが重くなると、東芝は辻がすかさずパスを狙い、スティールしてレイアップを決める。重ねて東芝は、篠山が菊池からスティールしてファジーカスの速攻で得点し、残り4分55秒に47-46と逆転する。さらに運動量が落ちたトヨタは、疲弊して形勢が悪くなると我慢ができなくなるという悪い癖が出て、ギブスがファウルのコールの後にファジーカスを突き飛ばして転倒させ、アンスポーツマンライクファウルを取られる。
残り4分28秒、タイムアウトを取ったトヨタだったが、早々に菊池がボーズマンにファウルして個人ファウルが4つになりベンチに下がる。東芝のディフェンスがマッチアップゾーンになると、トヨタは攻めあぐねてシュートを落とし、守ってはファウルしてフリースローで得点されるという悪循環に陥る。トヨタは田中(大)が3Pシュートを入れるも単発に終り、落ち着いてパス回しできずターンノーバーしてしまう。終盤に入りトヨタは、56-49の7点ビハインドという十分に射程距離圏内のはずが我慢できず、ギブスがスクリーナーのファジーカスにエルボータックルしてファウルを取られ、自らの首を絞める。
対照的に東芝は、辻や篠山がルーズボールを追ってコート外に飛び込む闘争心を見せ、足の止まったトヨタディフェンス裏を付いた辻がゴール下で得点する。さらに東芝は、篠山が3Pシュートを決めて残り1分13秒に63-51と12点差を付ける。良い所の無いトヨタは残り42秒、リッチーがスクリーンに着いた辻の喉元にエルボーを叩き込んだうえファジーカスにシュートファウルする。むせ返った辻が怒ってリッチーに詰め寄って制止されるなど、ゲームはさらに荒れた展開になるが、ファジーカスは落ち着いてフリースローを2本入れ、トヨタもようやく竹内がハイポストからジャンプショットを決めて、65-53の東芝12点リードで終了する。
第4ピリオド’に入っても、東芝はマッチアップゾーンで守りきり、ファジーカスが3Pシュートを決めて点差を広げる。開始1分半足らずで伊藤と松井を入れたトヨタは、松井が3Pシュートを入れ返すも後が続かず、ファウルを貰ったリッチーもフリースローを2本とも落としてしまう。運動量の落ちたトヨタはトラジションが遅くなるが、リッチーの単発シュートで何とか望みを繋ぐ。集中力が切れない東芝は、トヨタが2点シュートを入れるたびに大西、辻、栗原が3点を入れ返し、残り5分18秒に78-60と点差を18に広げる。第3ピリオドにタイムアウトを2つ取ってしまったトヨタは身動きが取れず、シューティングマシーンと化した辻が追い打ちをかけるようにフェイドアウトシュートを入れて、80-60と20点差になったところでオフィシャルタイムアウトに入る。
オフィシャルタイムアウトが開けてもトヨタは動きが重く、速攻を出しても全員が攻撃に戻れず、松井が早打ちで落とした3Pシュートはリバウンドに絡むこともできない。東芝はママドゥのリバウンドショットで点差を22に広げると、残り4分を切ってペースダウンし、コントロールに入る。すると再びプロレスラーと化したギブスが、ドリーファンクJr張りのエルボーをスクリーナーの栗原の胸元に叩き込み、トヨタは5ファウルに陥る。苦しそうに悶え、起き上がれない栗原。ベンチから立ち上がってギブスに文句を言うファジーカス。ファジーカスに詰め寄りレフェリーに制止されるギブス。一気に代々木が両国国技館に、バスケの試合会場がプロレス会場に早変わりする。
残り3分12秒、東芝は負傷退場した栗原に代わり、大西が冷静にフリースロー2本を沈めて84-62とする。トヨタは唯一運動量の落ちない伊藤が3Pシュートを入れるが、松井が3Pシュートとフリースロー2本を落として加点できない。ディフェンスもトヨタとは思えないほど緩くなり、東芝はママドゥが楽々とレイアップを入れる。アウトサイドのディフェンスを緩めない東芝の前に、トヨタは3Pシュートを打つことができず時間だけが無情に過ぎていく。トヨタは残り1分半を切ってもファウルゲームに出ることもなくタイムアップ。86-71で東芝が勝利し、イースタンカンファレンス優勝とファイナルへの切符を手に入れた。
PTS:ファジーカス29、辻15、リッチー21、岡田11
REB:ボーズマン8、ギブス8
AST:辻6、ボーズマン4、松井5
STL:ギブス4
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